30日間3食・ファーストフードを食べ続けた男、来日中
30日間、3食ファーストフードばかり食べ続けたら人間の体はいったいどうなってしまうのか? 体を張った人体実験ドキュメンタリー映画『スーパーサイズ・ミー』の監督兼、被験者(主演)のモーガン・スパーロック監督が来日し、マスコミ各社のインタビューに答えた。
実験(?)時は数十キロ増えた体重も、いまではすっかりスリムに戻り顔色も良好。笑顔でインタビュアーの前に現れた。本作はファーストフードがいかに体に悪いかを、監督自身の体だけでなく、あらゆるデーターや演出で観客に訴える。「マクドナルドから営業妨害で訴えられはしなかったか?」の質問に「彼らはポーズとして、まったく無視を決めこんだ。だけど、僕の映画が公開された後、スーパーサイズ(映画の実験ルールでは店員にスーパーサイズを勧められたら断らない)は廃止されたし、サラダが推奨されるようになったんだ」と映画の影響について語った。
当時、この実験中、30日もたたないうちに彼の肝臓はボロボロに傷み、あと少しでもファーストフードを食べ続ければ、命がないと医者に宣告されたにもかかわらず、実験をやりとげることができたのは「普通の人はファーストフードを一生食べるのに、あと9日間食べても死ぬわけはないだろう」と兄にアドバイス(?)されたからだそうだ。
しかし、何よりも「子どもたちの食生活を考え直してほしい」とちゃんとしたメッセージを伝えるためにも頑張ったスパーロック監督。「アメリカでは学校給食にもファーストフードが出るし病院にまでファーストフード店がある」そのアメリカ人の食生活を少しでも変えることができれば彼には映画を作った意味があったそうだ。
同じドキュメンタリー映画ということでマイケル・ムーア監督にインスパイアされたと語る彼だが、くしくもムーア監督の次回作もアメリカ人の食生活について。食生活はアメリカの病巣の大きな位置を占めるらしい。
『スーパーサイズ・ミー』は正月、シネマライズにて公開される。