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中国政府不許可!天安門事件とアンダーヘアが出る映画を上映

第59回カンヌ国際映画祭

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(写真左から)グー・シオドン、ロウ・イエ監督、ハオ・レイ
(写真左から)グー・シオドン、ロウ・イエ監督、ハオ・レイ - Tony Barson / WireImage.com / MediaVast Japan

 前日の『ダ・ヴィンチ・コード』狂騒が終わったカンヌ国際映画祭は、18日から本格的にコンペティション部門作品の上映が始まった。しかしその一発目が、中国政府の許可を得ていない日・仏合作映画『サマー・パレス』(原題)で、早くも波乱の展開を見せている。

 同作品は、1980年から1990年代を舞台に、地方から北京の大学へ進学したユー・ホン(ハオ・レイ)と、大学でも評判のイケメン、シュー・ウェイ(グー・シオドン)の悲恋を描くもの。劇中には、中国政府がいまだ敏感になっている天安門事件に振れているだけでなく、ハオ・レイのバストトップはおろか、主演2人のアンダーヘアがバッチリ見えるベッドシーンもあり、性描写に厳しい中国政府に対して挑戦的な内容となっている。政府側は「技術的な部分に関して許可出来ない」と表向きは言っているようだが、こうした刺激的なシーンが問題になっているのは明らかだ。

 記者会見でも、これらの話題に質問が集中。「中国においてセックス・レボリューションを起こそうとしているのか?」という質問に対し、ロウ・イエ監督は「僕はただのラブ・ストーリーを描いただけ」。政府の許可が降りなかったことに対し「その時々によって判断が違うから、何がダメで、何が問題になのか分からない。(日本占領下の上海を舞台にした)前作『パープル・バタフライ』だって許可が下りて、ちゃんとカンヌで上映されたワケだし」と、険しい表情で答えた。

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 今後、ロウ監督は中国国内での公開を目指して、製作会社側とも十分に話し合いを進めていく姿勢を見せているが、「でも僕は自分に嘘をつきたくない。あのセックスシーンだって、僕は美しいシーンだと思う」と語り、修正をするつもりはないことを示唆した。
ちなみにカンヌでは過去、チャン・イーモウ監督『生きる』、ジャン・ウェン監督『鬼が来た!』が政府の許可を得ぬままカンヌに出品したため、その後、両監督は一時、国内外での映画製作活動禁止の処分を受けている。

 またこの日、「ある視点」部門ではオープニング作品「パリ、ジュテーム」が上映された。同作品は、パリの区を舞台に、コーエン兄弟、ガス・ヴァン・サント、アレキサンダー・ペンなど早々たる監督たちが"小さな恋の物語"を綴ったオムニバスで、日本からは諏訪敦彦監督が参加している。残念ながら諏訪監督はカンヌ入り出来なかったが、この日はアルファンソ・キュアロン監督、イライジャ・ウッドジーナ・ローランズなどスタッフ・キャスト約30人が駆けつけた。それぞれの監督の味が出た、笑いあり、涙ありの秀作ぞろいに、会場はスタンディング・オベーションに包まれた。

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