小泉今日子に独占インタビュー! キョンキョンが見た、意味深なユメって!?
現在公開中の『ユメ十夜』は、若手から大物まで 10人の監督が夏目漱石の名作小説「夢十夜」を映像化した短編集。10夜の夢の中 で、実相寺昭雄監督作品“第一夜”に主演した小泉今日子に話を聞いた。
「こんな夢を見た……」から始まる「夢十夜」 は、夏目漱石が見た不思議な夢、悪夢など10の夢を書き上げた小説。撮影中は、自分の作品である“第一夜”のことしか考えていなかったという小泉は、 10の作品がつながった完成版を観て「それぞれの監督の個性や世界観がすごくはっきり伝わってきて面白かった」という。実相寺監督のほか、 松尾スズキ、清水崇と個性豊かな監督たちが作り上げた映像世界は、モノクロ、ホラー、ジャパニーズモダン、コメディー、アニメなど10作品すべてがまったく違うテイストを持っており、観客を惹(ひ)きつける。
本作を観ると、夏目漱石は悪夢にうなされることも多かったようだが、小泉今日子はいったいどんな夢をみているのだろう。
「最近はあまり見ないんですけど、たまに面白い夢を見ます。ものすごく一生懸命ケーキを作ってて……父親のために作ってたんですけど、置いておいたら友だちや姉たちが全部食べちゃって、一人で大泣きする夢(笑)。あと、テレビ局の廊下でけんかをしてたり… …。あとよく見るのが空中を歩く夢(笑)。それも飛ぶんじゃなくて、ほんの15センチとか浮いて歩けて、みんなに自慢げに見せてるの。『あのねえ、飛ぶってこういうことなんだよ~』って、『これリアルじゃない?』 『これはけっこう信じるでしょう?』 ってみんなに話しながら浮遊してるの(笑)」
“小泉今日子の夢十夜”が出来上がるほど、夢の話は止まらない。しかし彼女が子どものころに見ていた怖い夢は、まさに本作の監督を担当した、 故・実相寺監督の影響だったそうだ。「あのころ、実相寺監督が作られていたウルトラマ ンにはたくさん怪獣が出ていて、子どものころの悪夢ってけっこう監督の影響があった んですよね(笑)」
子どもの小泉に、怪獣の悪夢を見せていた実相寺監督。運命のいたずらか、監督にとって、『ユメ十夜』は、小泉とのそして脚本を担当し、同じく昨年亡くなった戦友、故・久世光彦との仕事が最後となった。
「実相寺監督は、とってもシャイな方でした。現場では、周囲からの干渉を一切遮断してご自分の周りに小さな部屋を作っていました。監督も役者もキャリアが長くなると、どうしても周りが多分に気を使ってくれる傾向になりがちなんですが、そんな実相寺監督の“シャイ”な一面は、現場に程良い緊張感をもたせ、わたしにとってとても居心地のいい空間を作ってくれました。」
デビューから20年以上経っても、新鮮さを失わず、輝き続けている小泉今日子が、故・ 久世光彦と故・実相寺監督と共に作り上げた “第一夜”から始まる『ユメ十夜』。3人の映画人による崇高な映像美をその目で確かめて欲しい。
『ユメ十夜』は、シネマスクエアとうきゅうほかにて絶賛公開中
オフィシャルサイトyume-juya.jp