「いろいろありまして……」竹内結子の深刻トークに会場シーン
29日、芥川賞作家長嶋有のデビュー作を『雪に願うこと』の根岸吉太郎監督が映画化し、竹内結子が主演した『サイドカーに犬』の完成記者会見が行われ、主演の竹内結子、少女・薫を演じた松本花奈、根岸吉太郎監督が登壇した。
撮影は昨年(2006年)の9月中旬から10月中旬にかけて行われたのだが、この時期はちょうど竹内がプライベートな問題でマスコミを騒がせていたのと同時期ということで、どうしても気になるのは、撮影時の竹内の心境だ。もちろんプライベートな質問は禁じられていたが、役柄について質問された竹内が思わず「個人的にもいろいろありまして」と口走ってしまったほど、タイミングといい、実生活と映画が重なるような役柄といい、当時はかなり複雑な心境だったことがうかがえた。
緊張のためか、終始伏し目がちのまま低い声でボソボソ話す竹内。自身が演じた役柄について「一体自分が何をやっているのかというむなしさ、そんな自分を笑いたい気持ちと、自分が哀れに思えて泣けてきたという心境でしょうか」と解説し、取材陣は思わず竹内自身のプライベートとだぶらせて静かに聞き入ってしまった。その後も、「自分に対してあきらめてはいけないと思った。自分の人生、切り開かなきゃいけない」と意味深な発言を連発、“いろいろあった”人だからこそ言えるこれらの含蓄のある言葉は、作品を鑑賞するときにも大いに役立ちそうだ。
最後に4月1日が誕生日だという竹内に桜の花が贈呈された。これはサプライズプレゼントで、それまで笑顔が少なかった竹内の顔がぱっと明るくなった。世間は卒業式シーズン。桜をもった竹内の顔が晴れやかだったのは、これから春がやってくるからだろうか。
『サイドカーに犬』は初夏よりシネスイッチ銀座ほかにて公開。
『サイドカーに犬』オフィシャルサイトsidecar-movie.jp