『バベル』『スパイダーマン3』など臨場感ある映画での体調不良
4月28日、公開された『バベル』を観て、一部の観客に体調不良が見られたことを受け、配給元のギャガ・コミュニケーションズは、オフィシャルサイトや新聞広告で、「映画『バベル』では、徹底的にリアリティと臨場感を追求する監督の意図により、本編中に刺激の強い演出効果が取り入れられております。これから『バベル』をご鑑賞いただくお客様におかれましては、予めご了承いただきますようお願い申し上げます」との断りを入れた。
体調不良の原因とされている場面は、菊地凛子が登場する場面で、クラブで踊る若者たちにあてられたライトが早く点滅を繰り返す部分。
この現象は1997年12月16日に、テレビ東京系で放送されたアニメ版ポケットモンスター第38話「でんのうせんしポリゴン」を見ていた幼児から中学生までを中心とする人々が、全国で突然けいれんなどの症状を起こし、病院にかつぎこまれたという状況と酷似している。
後に激しい光の刺激を受けたことが原因でおきる発作と公式に発表され、その後テレビアニメの放送前には「部屋を明るくして観賞するように」などの注意書きが入れられるようになった。
当時は人気番組の放映が一時中断されることになったが、今回の“『バベル』ショック”について、配給元のギャガは特に上映を中止などの措置はとらず、注意を呼びかけるポスターや広告で観客に呼びかけることにしている。
一方、昨日世界最速公開した『スパイダーマン3』。360度視点が次々変わるアクションシーンの連続は、絶叫アトラクションに乗っているかのような臨場感。それだけに、乗り物酔いをしやすい人は軽い乗り物酔いを感じることもあるかもしれない。しかし、映画は大スクリーンで、臨場感たっぷりの映像を体感するのが一番の醍醐味(だいごみ)。過去の映画でもこのようなシーンは多々あったはず。1997年の“ポケモンショック”以来、映像による体調不良には、神経質な日本ではあるが、このために映像を規制したり、放映や、上映を中止することについては慎重であってほしい。
『バベル』やそのほかの映画で、激しく光が点滅するシーンや、画面が乗り物に乗っているかのように視点が激しく動かされるシーンでは、一瞬スクリーンから目をそらすなどすれば、体調不良は予防できる。その一瞬、目をそらしたからといって、ストーリーが分からなくなることはないから問題はないだろう。
『バベル』オフィシャルサイト
babel.gyao.jp
『スパイダーマン3』オフィシャルサイト
sonypictures.jp