アカデミー賞映画『善き人のためのソナタ』の主演俳優が死去
本年度アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『善き人のためのソナタ』で主役を務めたドイツ人俳優のウルリッヒ・ミューエが7月22日、胃がんのため死去した。54歳だった。
劇中では国家保安省(シュタージ)の大尉を演じたが、実生活では十数年間、自身の妻に密告され続け、国家保安省の監視下にあったことでも知られている。
『善き人のためのソナタ』はベルリンの壁崩壊直前の東ドイツを舞台に、強固な共産主義体制の中枢を担っていたシュタージの実態を暴き、彼らに翻ろうされた芸術家たちの苦悩を浮き彫りにした話題作。監督フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクが歴史学者や目撃者への取材を経て作品を完成させた。
ウルリッヒ・ミューエは旧東ドイツのグリンマ生まれ。1975年にライプツィヒで演技を学び始めるまでは土木労働者として働いていた。1983年にドイツシアターに加わり天才舞台俳優の評判を得る。DDR(1949-1989年の旧東ドイツ政権)の映画やTVに何本も出演している。
『善き人のためのソナタ』DVDは8月3日、DVDリリース
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