多部未華子、中国ロケのマル秘エピソードを語る
SMAPの香取慎吾が孫悟空を演じ、大ヒットした映画『西遊記』がいよいよDVDで発売される。本作で、悪の妖怪・金角と銀角に乗っ取られた虎誠(フーチェン)国の王女、玲美(れいみ)を演じた多部未華子に話を聞いた。
本作の見どころの1つは、何といっても「西遊記」の本場、中国で撮影した雄大な風景だ。広大な砂漠や、切り立ったがけ、間もなく世界遺産に登録されるといわれている“西夏王陵”の見事な景色や、チェン・カイコー監督の映画『始皇帝暗殺』のために作られた広大な宮殿“秦王宮”などが画面に広がり、映画を大いに盛り上げている。
多部にとって中国での撮影は生まれて初めての体験。何もかもが整備され、用意されている日本とはまったく異なる環境での撮影は戸惑いの連続だったようだ。その一つがロケ現場でのトイレだった。「車の上に仮設トイレが乗っているトイレ車というのがありまして、その仕切りが布のカーテンなんです(笑)。男女の仕切りもカーテンなんですよ! 風が強かったので、ずっと手で押さえていないといけませんでした」と壮絶な(!?)エピソードを教えてくれた。
また、本作で初めて乗馬にチャレンジした多部は、撮影の1か月前から日本で乗馬の特訓をして中国での撮影に挑んだ。しかし、ここでもまた予想外の出来事に遭遇したそうだ。「中国の馬は日本の馬よりひと回りくらい小さいから、安心して大丈夫と言われていたのですが、いざ中国に行ってみると、日本の馬よりも大きくて驚きました」ということだった。しかも、乗馬用に訓練された馬ではなく、普通に生活の中で労働に使われている馬だった。「馬具も日本とは違って古いものだし、ここをたたいたら馬が落ち着くとか、ここをたたくと止まるとか、日本で教わったことを試しても、全然言うことを聞かず、急に走り出すし……。 地面もゴツゴツとした岩場が多かったので、本当に怖かったです」と振り返った。
本作の撮影は、2006年の10月下旬から2007年の1月にかけて行なわれたが、実は大学受験ともちょうど重なる時期で、香取をはじめとする共演者たちは、皆「勉強は大丈夫?」と心配して声を掛けてくれたそうだ。そんな多忙な日々を、持ち前の集中力を発揮して頑張り抜き、見事に大学にも合格した。クランクアップでは「毎日楽しかったから、これで終わりかと思うと寂しくなってしまって」とコメントし、号泣したという多部。映画の中で、若き姫君が孫悟空たちと出会い、“なまか”となって妖怪たちと闘う中で成長していくように、本作でまた1つ女優として成長したといえるだろう。ラストシーン、三蔵法師一行を見送るときの、ちょっぴり切なさが混じった表情をDVDでぜひ観てほしい。
映画『西遊記』DVDは2008年1月1日より発売
オフィシャルサイト saiyuki.jp