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ジョン・レノン殺害犯になるため俳優は30キロ増量、本人に200時間インタビューした映画

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映画『チャプター27』の監督J・P・シェファー
映画『チャプター27』の監督J・P・シェファー

 1980年12月8日、ニューヨークで偉大なミュージシャン、ジョン・レノンが射殺された。その犯人はジョンの熱狂的なファンだったマーク・デイヴィッド・チャップマン。果たして、彼を凶行に駆り立てたものとは何だったのか? 映画『チャプター27』はチャップマンがジョン殺害に至る3日間を描くことで、彼のダークサイドに迫る秀作だ。監督で脚本も手掛けた28歳の俊英、J・P・シェファーに話を聞いた。

 まるまる太った主人公、チャップマンを演じているのが、映画『ファイト・クラブ』『アレキサンダー』で知られる美形俳優のジャレッド・レトーだと気づく観客がどれくらいいるだろうか。彼は今作に出演するために、何と30キロも増量し、孤独な殺人者に身も心もなり切っている。

 「すべての過程を見ているわけじゃないけど、ジャレッドは2、3か月という短い期間であの体型に変身したんだ。何でもアイスクリームを溶かしてゴクゴク飲んでいたそうだよ。撮影中も体重をキープするためにミルクセーキを手放さなかった。もちろん栄養士と相談していたみたいだけどね」とシェファー監督。さらに不思議なのは、今やジャレッドがすっかりスリム体型に戻ったことだが、それはシェファー監督にも謎だそうだ。

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 実在の殺人犯を主人公にすえるとき、絶対に避けなければならないのは、彼を“ヒーロー視”させてしまうことだ。その危険性を十分に意識していたシェファー監督は「チャップマンという男は、ファンであると同時に殺人者なんだ。そういう人間が一体どんなことを考え、どんな言葉を発するのか。ジャレッドともかなり長い間ディスカッションを重ねたよ」と語る。

 なぜ、チャップマンはジョンを殺したのか。『チャプター27』が示すのはその答えではなく、あくまでヒントだ。チャップマンの心の闇は、今もなお暗いままで、そこに光を当てるのは彼自身に他ならない。「だから、彼がやったことは間違いだったということだけは明確に伝えなければいけないと思った」とシェファー監督。毎年12月になると、ジョン・レノンの不在を改めて痛感するファンも多いことだろう。シェファー監督自身もジョンの熱狂的なファンであり「映画を完成させても、ジョンの死や理由について、自分の中でまったく消化できていないんだ」と一ファンとしてのつらい心境を語る姿が、とても印象的だった。

なお、『チャプター27』は、現在もアッティカ刑務所に収監されているチャップマン本人に200時間に及ぶインタビューを敢行した「ジョン・レノンを殺した男」(ジャック・ジョーンズ著)を原案としている。

映画『チャプター27』は12月15日より、シネクイント他全国ロードショー
オフィシャルサイトchapter27.jp

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