勘三郎、伝説の舞台映画化で出来栄えに「申し訳ない!」と平身低頭!
16日、現在公開中の映画『シネマ歌舞伎 野田版 研辰の討たれ』の舞台あいさつが東劇にて行われ、主演の中村勘三郎が登壇した。
最新鋭の機材を用いて撮影した歌舞伎を、劇場で観るというまったく新しい試みのシネマ歌舞伎。これまでにも『シネマ歌舞伎 野田版 鼠小僧』を皮切りに多数の作品が上映され、好評を博してきたが、勘三郎は「高校生なんかが授業の一環で歌舞伎を観に来るんだけど、難しい演目を観るよりも、視聴覚室でこっちを観た方がいいと思うんだよね。敷居が高くないから初めての人にもおすすめだし、劇場では観られないアングルでも観れるしね」と語り、「実際の歌舞伎より安いですしね」と突っ込まれると、「いやいやすみません(笑)」と苦笑いし、笑いを誘っていた。
また、演出家の野田秀樹が監修を務めた経緯について、「野田とは同い年で、よく飲みに行くんだけど、『研辰』をやる前に『カノン』を一緒にやろうなんて話もあったんだよね。それである日、銀座で飲んでる時に『歌舞伎座って知ってるか?』って話になって、『知ってるけど、舞台から見たことはないよ』って言うもんだから、守衛さんのところから忍び込んで見せてやったら、野田が『ここでやりたい!』と感動しちゃってね。それでできたのがこれなんだよ」と明かし、集まった観客を驚かせていた。
とはいえ、もっぱら出来栄えに関しては、「1日で撮ったんだけど、お客さんを前にして撮らなきゃならないから変なテンションになるし、セリフは忘れるし。わたし、ひどいんです。申し訳ない!」と平謝り。「8月にまた野田と新作をやりますから、楽しみにしていただければ」とファンにはうれしいニュースを発表し、会場を去って行った。
『シネマ歌舞伎 野田版 研辰の討たれ』は、18代目中村勘三郎襲名披露として2005年5月に歌舞伎座で再演された伝説の舞台を撮影したもの。にわか侍の辰次(勘三郎)をめぐって巻き起こる仇討ちの物語。
映画『シネマ歌舞伎 野田版 研辰の討たれ』は2月1日まで東劇ほかにて全国公開中
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