竹内結子が女医役に挑戦!もっとカッコいい女になるはずだった?
累計200万部を超えるベストセラー小説を映画化した医療ミステリー映画『チーム・バチスタの栄光』が9日から公開される。同作で、素直でお人よしな心療内科医にふんした竹内結子に話を聞いた。
高度なテクニックを要する心臓手術(通称バチスタ手術)において驚異の成功率を誇る“チーム・バチスタ”が、連続して手術に失敗し患者の命を奪ってしまう。事故なのか、故意の殺人か? 竹内演じる心療内科医の田口は、その原因を突き止めようとエリートチームの面々を聴取する。物語の切り口はサスペンスフルだが、田口自身はどこかトボけた雰囲気が印象的なヒロインである。竹内は「脚本にはこれといった人物説明はありませんでした。だから撮影を通して少しずつキャラクターを作っていこうと思い、最初は何も考えず演じていたんです。口がポカーンと開いているような感じで。ところがそれが監督のツボにはまったみたいで……」と語る。
その結果、本来女医というものが持つカッコいいイメージとは一味違うヒロイン像が出来上がった。竹内は「うーん、本当ならもっとカッコいい女になる方法があったかもしれませんね」と後悔(?)している様子だが、だからこそ観客も“素人探偵”である田口と一緒になって、手術中の不可解な死亡事故を推理する楽しみが味わえる。「確かにキレ者というよりは、ちょっといじめたくなるキャラクターもまたありだなと。映画を最後まで観るとそう思えます」と竹内。ストーリーテラーとして全編出ずっぱりだが「クランクアップ2週間くらい前になって初めて、出番が多いなーって気付きました(笑)」とのんびりした竹内本人の性格も、田口という役柄にぴったりだったようだ。
先が読めないスリリングな展開と、驚きのクライマックス。結末を知っている俳優にとって、オチをにおわせないよう演じるのはかなり難しい作業だったようだ。竹内は「犯人がわかっている状態なので、つい手掛かりになる重要な部分に意識がいってしまうんですね。時々監督からも『そこには反応しないでいいです』と時々指摘されてました」と“そ知らぬ顔”の大変さを語った。また、一緒に事件を調べる厚生労働省の役人を演じた阿部寛との決してかみ合うことのないやり取りもユニーク。これもまた結末をはぐらかすための演出だったが、撮影現場では阿部ともども「かみ合わないよね」と歯がゆさを覚えたそうだ。
重厚な医療ミステリーに、竹内&阿部のでこぼこコンビによるコミカルな一面が加味された『チーム・バチスタの栄光』は、同時に命の尊さとそれに触れる医療現場の過酷さを描いている。「医療現場の環境が悪化することで、医師と患者、双方にマイナスになってしまうことに改めて気付きましたね。一人一人の負担が増え、そのしわ寄せがきてしまうのは切ないです」と竹内。ちなみに、劇中に登場する手書きの動物キャラクターは、何と竹内本人による直筆。「ビミョーに下手でしょ」という竹内のイラストも見どころだ。
映画『チーム・バチスタの栄光』は2月9日より全国東宝系にて全国公開
オフィシャルサイト team-b.jp
ヘアメイク:佐々木博美/スタイリスト:宇都宮いく子