あまりのクレージーさに一躍有名人!大学院生監督が「イメクラでモテテるみたい」とコメント【ロッテルダム国際映画祭】
オランダで開催中の第37回ロッテルダム国際映画祭で、「Yuya Ishiiって誰だ!?」と1人の日本人監督が話題となっている。同映画祭の中で、世界各国の最も刺激的な若手映画作家を集めた「Sturm and Drang(嵐と衝動)」部門で異例の4作品も上映。しかもその作品がどれも「クレージーらしい」というウワサが広まり、上映会場はいずれも満員御礼だ。その張本人、石井裕也監督は「映画を見て“監督もクレージーなのか?”と思われないように、一応、スーツを着て来たんですけど(苦笑)。でも今回、日本ではあり得ないくらいの待遇を受けてまして、何だか急にエラくなった気分。“イメクラ”に来て、女の子にチヤホヤされているような感じですかね(笑)」。
石井監督は大阪芸大を卒業し、現在は日大芸術学部映画学科大学院に在籍中。大阪芸大の卒業制作だった映画『剥き出しニッポン』(2005)が2007年の「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」でグランプリを受賞し一気に注目が集まった。今回は、『剥き出しニッポン』のほか、製作費7万円の『反逆次郎の恋』(2006)、大阪市の助成金50万円で製作した『ガールズ・スパーク』(2007)、最新作『ばけもの模様』(2008)が選出された。同映画祭で日本映画を担当している、ゲルチャン・ズーホフ氏は「PFFの紹介で『剥き出しニッポン』を見せてもらってすごく気に入り、ついでにほかの作品も見せてもらったんだ。そしたら、同じ役者が4作品でいろんな役で出てくるからおかしくて(笑)。それは低予算映画ではよくあることなんだけど、日常のどこにでもいそうな人が、ある日突然、溜まっていた感情を爆発させて意外な方へ話が転がっていく。そのブラックユーモアあふれる物語もすごく面白かった。何より、ロケ地が全部地方っていうのもいいね。もうボクらは東京の景色は見慣れたからさ」と絶賛だ。
今回はその石井作品おなじみの俳優でもあり、大阪芸大時代からの仲間であり、スタッフでもある中村無何有(助監督も担当)と内堀義之(美術と『反逆次郎の恋』の主演)を伴っての現地入り。中村は「映画人として本当に貪欲だし、現場での統率力がある。カリスマ性がありますね」と石井監督を褒めると、現場で怒られ役だという内堀は「(酒を飲んでいる時はアホな話しかしないんですけど、撮影に入るとスゴイ。彼の仕事に対して、追いつくので必至でいつ怒られるかと……。いつも尻をたたかれているような状態です」と背中を丸めながら話していた。