ユマ・サーマンが、銃乱射事件をテーマにした社会派ドラマを激白!
クエンティン・タランティーノ監督作品の常連であるユマ・サーマンが、新作映画『ザ・ライフ・ビフォー・ハー・アイズ』(原題)について語ってくれた。本作は高校時代に起きた悲惨な乱射事件から15年後を経た被害者の女性の心を描いていくドラマだ。監督に映画『砂と霧の家』のヴァディム・パールマンを迎え、平凡な女性(ユマ)に訪れた不安が、徐々に敏感で張り詰めた心理に変化していくさまを見事に描き出した。
‐多少暗めの題材を扱っていますが、この映画への出演を決定した理由は何ですか?
(ユマ・サーマン)まず最初に、暴力という強烈なテーマがあったからなの。この映画は思春期の女の子にとって、外から与えられる暴力によって浴びせられる精神的ダメージと、回復することの困難さを描いているの。わかり合えず、孤立することによって生まれるものでもあるわね。男の子の思春期に関して映画では頻繁に描かれているでしょ? まるでジャンルとして男の子の思春期という映画があるみたいに。それに比べて、今の10代の女の子はテレビドラマ「シークレットアイドル ハナ・モンタナ」の世界観でしか描かれないのよ。今回の作品のようにシリアスに描かれるなんてまれだわ。
‐悲惨な事件から生き残ったという生存者としての罪悪感について、監督とはどう話し合ったのでしょうか?
(ユマ・サーマン)まず、過去に残虐な瞬間を経験してしまった人々は、どうやってその後の人生設計をしていくのかということを念頭に考えたわ。ホロコーストの生存者やこれまでの残虐な事件からも見られるように、さまざまな葛藤(かっとう)が生じてくるの。あるケースでは周りの人々の優しさに助けられ、過去のトラウマを克服したという人もいる。ただ、それができないケースもあるわ。だから今回は、トラウマを抱ええたまま、どうやって平穏を確保するかということに焦点を置いたの。
‐似た映画にガス・ヴァン・サント監督の映画『エレファント』などがありますが、ある世間一般の考えでは、こういった映画について、いまだに人々は観る準備ができていないという見解をする人がいます。あなたはどうお考えですか?
(ユマ・サーマン)この映画はそんなにセンセーショナルなものじゃないの。ただ一つだけ確かに言えることは、10代の子どもを持つ親が、この映画を見終わった後に子どもたちと会話をすれば、彼らのことをより理解することができると思うの。その会話は、子どもたちが抱える衝撃的な問題で、親たちを混乱させるようなイジメや性の問題に関してだったりするかもしれないけれど。
‐あなたの若いころの役をエヴァン・レイチェル・ウッドが演じていますが、彼女とはある程度の雰囲気やしぐさをマッチさせるようにしたのでしょうか?
(ユマ・サーマン)彼女との一緒のシーンは無いけれど、その日に撮影された映像を観たり、これまでに彼女が出演した映画を観たりしたわ。それに脚本が共通点について触れていたから、わたしにもすぐ理解することができたの。衣装や髪型なんかにもそれが反映されているわ。
‐あなたが出演した映画『キル・ビル』シリーズは、かなりのカルト・ファンがいますが、またタランティーノ監督と仕事をする可能性はありますか?
(ユマ・サーマン)それはわからないわね。まず自分の企画を話して、彼らを笑わせてみないと(笑)!
彼女自身も2人の子どもを持ち、シングル・マザーとしてハリウッドの一線で活躍している。女性のための映画とは言わないが、男性からも応援したくなるような女性を魅力的に映した作品である。(取材・文:細木信宏)
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