いかがわしいキャバレーでライブ!売れないロックバンドが世界を救う物語が映画化!
8日、映画『フィッシュストーリー』の新宿・歌舞伎町で行われた撮影現場がマスコミに公開され、主演の伊藤淳史、高良健吾らが作品について語った。本作は、現在日本映画界が最も熱い視線をそそぐ人気作家・伊坂幸太郎の同名小説の映画化で、メガホンをとるのは映画『アヒルと鴨のコインロッカー』の中村義洋監督だ。
2008年本屋大賞にも選ばれた伊坂の小説は、『アヒルと鴨のコインロッカー』のほか、佐藤浩市や大沢たかおが出演した2006年の映画『陽気なギャングが地球を回す』、今年公開された金城武主演の映画『Sweet Rain 死神の精度』、先日ロケ地の仙台で製作会見が行なわれた2009年公開予定の加瀬亮主演映画『重力ピエロ』と映画化が相次いでいる。本作は、20数年前に始まり、現在、30数年前、10年後と時間を自在に行き来しながら、売れないロックバンドの作った曲が、それぞれの時代に生きる人々をつなぎ、やがて世界を救う……? というユニークなストーリーだ。
中村監督によると、小説では「30数年前」という風にぼかしている時代設定を映画では1973年、1982年、1999年、そして2009年(映画の公開年)と明確にしたそうだ。この日、マスコミに公開されたのは映画のキーとなる1973年の場面。売れないロックバンドのメンバー(伊藤、高良、渋川清彦、大川内利充)が、キャバレーでお客になじられながらも懸命に演奏するライブシーン。実際に演奏できるメンバーをそろえたと監督が太鼓判を押しただけあって、迫力満点だ。
ベーシストの繁樹を演じる伊藤は、「先生についてもらって2か月間みっちり練習した」という成果をいかんなく発揮して見事なベースさばきを見せる。ボーカル担当の五郎を演じる高良は「最初は人前で歌うのが恥ずかしかった」と照れながらも「この4人でやっていると何かができる気になる」とちょっぴり自信ものぞかせた。中村監督は1970年代のキャバレーの雰囲気を残すホールがとても気に入ったそうで「このいかがわしい雰囲気がいいでしょ(笑)」と満足気に語っていた。
映画『フィッシュストーリー』は2009年渋谷シネクイントほかにて全国公開