クリント・イーストウッド監督が、スパイク・リー監督のコメントに反論
スパイク・リー監督が、クリント・イーストウッド監督作について、黒人俳優の起用が少ないとコメントをしたことから、イーストウッド監督が強気の反論を行った。ことの発端は、カンヌ国際映画祭でリー監督が語ったコメント。リー監督は自身の最新作『ミラクル・イン・ザ・セント・アンナ』(原題)で第二次世界大戦で戦った黒人兵士たちの姿を描いているが、同じ第二次世界大戦をテーマにしたイーストウッド監督の『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』の2作品について、「あれは彼のバージョンの物語だね。(あの中には)黒人バージョンは存在しなかった」とコメント。これに対しイーストウッド監督は、ガーディアン紙で反論。「あの映画は、旗を立てた兵士たちの写真の物語なんだ。黒人兵士たちが硫黄島の旗を立てたんじゃない。不正確なことは描けない。僕は歴史的に読み解いて正しい描き方をしたまでだ」と反論。さらに「もしも『バード』みたいに90%が黒人という映画を作るなら、90%黒人俳優を使うよ」とコメントした。また、イーストウッド監督の次回作は南アフリカを舞台にネルソン・マンデラ元大統領の姿を描く『ザ・ヒューマン・ファクター』(原題)だが、「マンデラ役に白人をあてるつもりはないね」とジョークを飛ばした。