スピード役でブレイク!ハリウッドの不良少年エミール・ハーシュが明かすハリウッドとの距離
5日から公開された映画『スピード・レーサー』で、主役のスピードを演じたエミール・ハーシュに、パーティー三昧のハリウッドセレブとは一線を画すプライベート、そして本作の魅力について話を聞いた。
映画『マトリックス』のアンディ、ラリー・ウォシャウスキー兄弟が描き出す『スピード・レーサー』は驚異の映像世界が体験できる映画として話題を呼んでいるが、撮影時はそんなことを想像することすらできなかったという。
「おれたちは、みんな緑の壁の前で演技をするだけなんだよ。車に乗っていても、自分がどんなコースをどんな風に走るかは、監督に言われたことを想像するしかなくて。だから出来上がった作品を観たときは、びっくりしたね! 予想をはるかに超えていたよ!」
自分の想像だけで演じるというのは、とても難しそうに思えるが、エミールは「自分の想像だけで演じるのは、まあまあ大変だったけど……。でももっと大変だったのは、チンパンジーとの共演だね。僕が演じるスピードの家族には、チンパンジーがいるって設定だったんだけど、こいつが本当に言うことを聞かないやつでさ。暴れるわ、襲い掛かるわで大変だったんだよ。スタッフ総出で捕まえたこともあったよ。いつ襲い掛かられるか実はビクビクしている気持ちをなるべく出さないようにして演じる方が、大変だったな」と笑いながら撮影を振り返った。
本作の主演に続き、ショーン・ペンがメガホンを取った映画『イントゥ・ザ・ワイルド』でも主役を務めて高い評価を得ているエミールだが、本人はハリウッドでの俳優業を「あくまでビジネス」と割り切る。「おれは普段から、役者仲間とつるむのが好きじゃない。ましてや映画女優と付き合うなんて、嫌だよ。普通の子がいいんだ。役者はビジネス。だからオフのときは、普通の友だちとバーで酔っ払ってるよ(笑)」
会見で取材陣がびっくりしたほど、映画の中の雰囲気とはまるで違う、伸び放題の髪の毛とヒゲが印象的だったエミール。ロサンゼルスに住んでいるがハリウッドの高級住宅地ではなく、ベニスビーチというローカルなところに住んでいる彼はハリウッドの不良少年だ。さまざまな映画で七変化を見せながら、「役者はビジネス」と不敵に笑うエミールに、ますます興味がわいた。
映画『スピード・レーサー』は全国公開中