温水洋一に独占インタビュー!人気キャラの森の石松役「僕でいいの?」
名優・津川雅彦がマキノ雅彦名義で監督した2作目にあたる、痛快活劇映画『次郎長三国志』で、次郎長に並ぶ人気キャラクター・森の石松を演じ、本格的な殺陣にも取り組んだ温水洋一に話を聞いた。
「僕でいいの? 本当にいいんですね?」というのが最初の感想だったと語る温水。清水の次郎長と森の石松といえば、今の若者でも名前だけは知っているであろう有名人。義理と人情の厚さで慕われ、幕末に活躍した侠客(きょうかく)一派で何度も映像化されており、津川の叔父で日本映画界の巨匠・マキノ雅弘による13作にわたる『次郎長三国志』シリーズは特に知られている。今回、新たによみがえった本作では、次郎長に中井貴一、お蝶に鈴木京香がふんし、北村一輝や近藤芳正、笹野高史、岸部一徳ら芸達者な俳優陣が脇を固める。その中での森の石松。まさに大抜てきとなった。
「クランクインの半年くらい前に、津川さんから『森の石松をやってもらいたいんだけど』とメールがきまして……。違う人に送り間違えたんじゃないかと思って、『これは温水の携帯ですけど』って返したんです(笑)」とはにかむ温水。意外性を狙ったというキャスティングに喜んで飛びついたというが、「僕がやることの意味を大切にしたい。僕がやる石松はその石松でしかないから」と話す横顔にポリシーがにじむ。そして「キャスティングは意外だけれど、実際にどうだったのかっていうのは、観る人の判断に任せます」と語る姿には自信も感じられた。
新しい役柄やジャンルに挑戦するのが好きだと話す温水は、本作で挑戦した時代劇も楽しかったそうで、もしも歴史上の有名人物を演じるなら「水戸黄門がいい!」とこれまた意外な願望を聞かせてくれた。「こんな弱っちい人が! っていう感じで。いつも助さん格さんに行かせて、『あ、実は僕、先の副将軍なんです』なんて(笑)。そういう人にひれ伏すなんて面白いじゃないですか」とその理由を満面の笑みで語ってくれた。
映画『次郎長三国志』は9月20日より全国公開