スペインで『極道の妻たち』など濃厚な日本のフィルム・ノワール43本が上映!
スペインのバスク地方で開催される第56回サン・セバスチャン映画祭が現地時間18日に開幕した。オープニングセレモニーには、コンペティション部門出品作『ジ・アザー・マン』のアントニオ・バンデラスや、招待作『ヴィッキー・クリスティーナ・バルセロナ』のハビエル・バルデムと2大スペイン・スターが登場し、上映会場周辺はファンの黄色い歓声が飛んだ。
日本からは、コンペティション部門に是枝裕和監督『歩いても 歩いても』のほか、オダギリジョーが韓国の鬼才キム・ギドク監督と組んだ『非夢』、菊地凛子出演の米映画『ブラザーズ・ブルーム』が出品されている。また、審査委員の一人を原田眞人監督が務めている。
その他、「日本のフィルム・ノワール」と題した特集上映も行われ、伊藤大輔監督『忠治旅日記 信州血笑篇』、五社英雄監督『極道の妻たち』、北野武監督『その男、凶暴につき』など、濃厚な43本がセレクションされている。27日までの会期中には、『女囚701号さそり』の伊藤俊也監督、『新宿マッド』の若松孝二監督、『我が人生最悪の時』の林海象監督、『蛇の道』の黒沢清監督などが現地入りする予定だ。
オープニングセレモニーには、映画『鬼火』の望月六郎監督がステージに立ち「フィルム・ノワールの監督を代表してサン・セバスチャンに来られて光栄です。日本映画の過去と現在をお楽しみ下さい」とあいさつし、客席から温かい拍手を浴びていた。セレモニーに先駆けて上映された映画『鬼火』の会場には、現地の熱心な日本映画ファンが集まり、早速、望月監督に「どうして哀川翔さんはヤクザ役ばかり演じているんですか?」となかなかツウな質問をぶつけていた。(取材・文:中山治美)