ジョン・ウー監督に独占直撃!三国志のキャラクターで自分に似ているところ
歴史物語、三国志から赤壁の戦いを映画化した歴史アクション映画『レッドクリフ PartI』の監督を務めた、映画『M:I-2』でも知られる国際派監督ジョン・ウーに話を聞いた。
大作とあってキャストの華やかさも話題だが「キャスティングの際には、実生活の中でもそのキャラクターに近い人を選んでいる」とのこと。孫権軍の名将として物語の軸となる周瑜を演じたのは、日本でも人気の高いトニー・レオン。「周瑜は、国や家族に対する責任感が強くて、チャレンジ精神にあふれている。たとえ挫折しても果敢に乗り越えていける勇気を持っており度量も広い。部下を大切にし、ロマンチストで音楽的な造詣も深い」と語り、まさにトニー・レオンらしい役柄だという。
初めて仕事をした軍師・孔明の金城武については「非常に明るくて親しみやすい、チャーミングな人」との印象で、孔明像にぴったりだったそうだ。また金城同様、日本人として気になるのが、周瑜に使える武人・甘興を演じる中村獅童。実は、甘興のモデルは甘寧興覇(かんねいこうは)という人物。第2部で描かれる赤壁の戦いに、史実とは反する中村の見どころを作ったため、名前を甘寧興覇(かんねいこうは)から甘興にしたのだとか。いずれにせよ、中村のたぐいまれなる存在感のたまものによる変更のようで、日本人としてはうれしい限りだ。
映画制作の前に、必ず黒澤明監督の映画『七人の侍』を見直すといううわさのあるジョン・ウー監督。それは事実のようで「特にエンディングの、雨の中の決闘シーンは毎回必ず見直すんだよ」と優しそうな笑顔で答えてくれた。
魅力の一つにキャラクターの豊かさが挙げられる三国志ワールド。「タイムマシーンで当時に行けたら、誰と話がしたいか」との質問をジョン・ウー監督にぶつけてみたところ、「周瑜だね。あと趙雲(劉備に使える将軍)もいいね」との返事が。周瑜への思い入れは本編を見れば明白だが、趙雲については「忠に厚いところにすごく惹(ひ)かれるんだ。性格的に自分に近いと思うよ」とその理由を教えてくれた。
映画『レッドクリフ Part I』は11月1日より全国公開