阿部寛も思わずリラックス、脱力系のおっとり歌姫まきちゃんぐ登場!
第21回東京国際映画祭
19日、第21回東京国際映画祭が開催中のTOHOシネマズ六本木ヒルズにて、「日本映画・ある視点」部門の映画『青い鳥』が上映され、主演の阿部寛、中西健二監督、そして主題歌を歌うまきちゃんぐによる舞台あいさつが行われた。
クラスメートがいじめを苦に自殺未遂をしたことで動揺する中学生たちと、そんな彼らのクラスに赴任してきた臨時教師の交流を描いた本作。吃音の教師という役を務めた阿部は、「いじめという難しいテーマを扱っているけれども、多くの言葉を語らずとも人の心に入っていって、何かを気付かせてくれるような作品です。僕も多くのことを学ばせてもらったので、皆さんにもその辺りを感じてもらえれば」とあいさつ。重いテーマに真っ向から取り組んだ作品とあって、阿部らの言葉に観客も熱心に耳を傾けるなど、会場全体をまじめな空気が包んでいた。
ところが、そこに主題歌を歌うまきちゃんぐが登場して阿部らに花束を贈呈し、あいさつのために一言、言葉を発した瞬間、空気が一変。切ないメロディーと飾らない歌詞、力強い歌声で「中島みゆきの再来」と評されるほどの実力派シンガーなのだが、その歌声からは想像もつかないほどの舌ったらずなおっとりとした口調の持ち主で、「わたし、今年デビューしたばかりなんです。この作品に参加することができて、うれしかったです」と語り出すと、そのあまりの脱力っぷりに会場のあちこちから笑いが漏れ、あれほどまでに会場を覆っていた固い雰囲気が、一瞬にしてふんわりとした雰囲気に変わってしまった。そんな彼女の歌を、阿部は「すごく歌詞が良くて、この作品の意味が伝わってくるんですよね。この曲が作品そのものを支えてくれていると感じたし、最高の曲です。感謝しています」と大絶賛。まきちゃんぐのトークでリラックスできたのか、この日一番の笑顔を見せていた。
『青い鳥』は、直木賞作家、重松清の同名短編小説を映画化した感動作。いじめに揺れる、14歳の多感な少年少女たちと正面から向き合う臨時教師(阿部)の姿を丁寧に描いたヒューマンドラマ。
映画『青い鳥』は11月29日より新宿武蔵野館、シネ・リーブル池袋ほかにて全国公開