死体愛好の趣味を持つ女子高生を妖しく演じた高梨臨に独占インタビュー!
映画『暗いところで待ち合わせ』『死にぞこないの青』など、映画化の続く作家、乙一の人気小説をベースにした映画『GOTH』で、本郷奏多とともに連続猟奇殺人事件の謎を追う、死体愛好の趣味を持つ女子高生の森野を演じた高梨臨に話を聞いた。
「大枠はミステリーなんだけれど、過去に縛られていた森野を(本郷演じる)神山君が解放してくれる。森野の救いの物語でもあると思うんです」と静かに話し始めた高梨。本作が映画初出演で、同じくゴス趣味の神山を演じた本郷と、いきなりのダブル主演を果たした。「森野と神山君の目にはゴスがある(笑)。森野が神山くんに惹(ひ)かれていったというのも、その目に、彼女が縛られ続けている、とある人物の影を見たからだと思うんですね」とキャラクターの関係性を語る高梨の目には、まるで自身が演じた森野が乗り移っているかのようなあやしげな輝きがあった。
原作の森野同様に、長い黒髪が印象的な高梨。姿形は完全に乙一が描いたキャラクターそのものだ。しかし、死体愛好の趣味はもちろんない。「実際にそういった趣味の方にお会いして、死体に惹(ひ)かれる理由を聞いたんです。それは死体のいつわりのない表情とか、何も考えていない表情が好きということでした。あぁ、そういうのもあるんだって思いましたね。共感はさすがにできないですけど……(笑)」とのこと。
かなり特殊な世界を描く作品だが、撮影は楽しかったようで、タイトルにちなんで“ゴス度”なる言葉が役柄の感情を表現する指示として、撮影現場ではやっていたそうだ。「ここのシーンはゴス度これくらいで! とか(笑)。高橋監督からゴス度指示がよく飛んだりしてました(笑)」とのことだ。中でもゴス度が高かったのは川辺でのリストカットシーンで「血が流れる場面がとても印象に残っています。体力的にも大変でしたが、ゴスの世界をよく現しているシーンだと思います(笑)」と涼しげにほほ笑んだ高梨だった。
『GOTH』は累計発行部数100万部を超える乙一による第三回本格ミステリ大賞受賞作の映画化。人間の残酷な部分に惹(ひ)かれる高校生の神山(本郷)と森野(高梨)が、連続する猟奇的な殺人事件の犯人が書いたと思われるノートを拾う……。
映画『GOTH』は12月20日より渋谷シアターTSUTAYAほかにて全国公開