押井守が「鉄人28号」を演出!過去の鉄人28号にダメ出しも!!
4日、東京會舘で舞台「鉄人28号」の製作発表会が開催され、脚本と演出を手掛ける押井守、出演者の南果歩、池田成志、DIAMOND☆YUKAI、サンプラザ中野くんが出席。アニメ界の鬼才である押井監督が舞台初挑戦で、今は亡き横山光輝の名作漫画「鉄人28号」を演出する異色プロジェクトの全ぼうが明かされた。
今回、初めて舞台の演出を手掛けることになった押井監督は「もともと舞台は好きだったが、うちの奥さんから『舞台だけはやっちゃいけない』とずっと言われていた。やるからには無条件に楽しんでもらえるものを」と禁断の領域に挑む意気込みをコメント。「鉄人28号」を題材に選んだ理由に関しては「僕らの世代にとってヒーローといえば、鉄腕アトムと鉄人28号。もう戦後は終わったものとされているが、僕はしつこく戦後にこだわりたい」と今回の舞台を通して、ライフワークともいえる架空の昭和史を描きたいと語った。
南が15歳の主人公、金田正太郎を演じるなど異色のキャスティングも話題の同舞台では、宝塚歌劇を意識したレビュー(歌)が大胆に盛り込まれているほか、ステージ上には作品の象徴ともいえる巨大な鉄人28号も設置される予定だ。「今回の舞台はお祭りのようなもの。だから御神体が必要だし、巨大な鉄人28号を作りたくてこの仕事を引き受けた部分もある」と押井監督。
現時点ではまだ完成していないそうだが、重量は800キロ、ひざをついて座った状態の鉄人は高さ7メートルにもなるという。アニメ的ロボットではなく、あくまで象徴的な存在となる今回の鉄人28号のデザインには押井監督自身、満足している様子で「今まで鉄人28号の映像化は一回も成功していない。以前CGの鉄人28号が空を飛ぶシーンを見たが『こんなんじゃヤダ』と思った」と2005年に公開された実写版映画『鉄人28号』にダメ出しする一幕も。ちなみに今回の鉄人28号の製作費は「プロデューサーが明らかにしてくれないのでわからないが、国産車7から8台は買える値段だと想像している」とも明かし、そのスケールの大きさに取材陣からは驚きのため息がもれていた。
舞台「鉄人28号」は2009年1月10日から25日まで東京天王洲銀河劇場、2月5日から8日まで大阪梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演される。