チェ・ゲバラを描いた超大作映画をベニチオ・デル・トロらが語る!
いよいよアメリカで公開される映画『チェ 28歳の革命』『チェ 39歳 別れの手紙』について、スティーヴン・ソダーバーグ監督、チェ・ゲバラを演じたベニチオ・デル・トロ、そしてフィデル・カストロを演じたデミアン・ビチルが記者会見に登壇した。
本作は、偉大な革命家として評価されるチェ・ゲバラの半生を2部作で描いた歴史ドラマ。前者ではカストロと出会ったチェ・ゲバラが、キューバ革命への道を突き進む過程を描いている。後者では、キューバ革命を成し遂げたチェ・ゲバラが、ラテンアメリカでの革命を目指し、ボリビアを訪れ、死に至るまでを描いている。
現代の革命とは何かをベニチオはこう語る。「われわれが選挙に参加することが革命だろうね。今回の大統領選挙で僕はそれを見ることができた。ボリビアでも先住民出身の大統領が2006年に選ばれている。この世の中、選挙が革命の1つになるのは間違いないね」。また、ベニチオはチェ・ゲバラとゆかりのある人々と実際に会い、役作りの参考にしたという。「チェ・ゲバラの弟と話す機会があった。それに、ボリビアの戦いで生き残った3人の戦士たち。妻や娘、そしてキューバ革命を闘った同士たちと話すことができたんだ。戦闘手段や、ぜんそく持ちのチェ・ゲバラが戦場でどう対処していたのかを聞いたよ! 興味深かったのが、彼らはゲバラを尊敬していたが、スーパー・ヒーローのように語る人はいなかったというところかな」。
カストロを演じたデミアンは「カストロに会うのはもちろん不可能だったが、本や写真、それにビデオ映像が山ほどあったからね。約5か月間、準備に費やしたんだけど、カストロの存在感はとても大きかった。カストロは毎日多くの書物を読んだり、世界情勢に対してコラムを書いていたんだ。それに彼のヒゲはオシャレのためじゃない。ヒゲをそる時間が無駄だからそっていないんだよ! カストロのエピソードを聞いていると、自分がダメ人間に思えてしまったよ」とかなりの苦労した役作りだったことを明かした。
最新のカメラ機器REDでの撮影についてソダーバーグ監督は「REDカメラの登場は、撮影開始の2日前だった! もしこのカメラがなかったら、こんな過密なスケジュールの中で、質の高い映像を作り出すことは不可能だったね! この4時間半ある映像の中で8シーンほどは人工照明だが、残りのシーンはすべてカメラがとらえた自然光撮影。REDはまさにギフトだったんだ! この映画の撮影から僕はすでに2つの作品をREDで撮っているんだ」とお気に入りの様子だった。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)
映画『チェ 28歳の革命』は2009年1月10日より全国公開
映画『チェ 39歳 別れの手紙』は2009年1月31日より全国公開