ジム・キャリーの『イエスマン』が1位!キアヌは陥落-12月21日版
全米ボックスオフィス考
東海岸では吹雪が吹き荒れ、結果として全米興行収入もさむ~い結果だった今週末は、第1位は約1820万ドル(約16億38万円)でジム・キャリー主演の映画『イエスマン“YES”は人生のパスワード』という結果に終わった。(1ドル90円で計算)
「スタジオのお偉方が、映画の話をせずにお天気の話で会話を始めるときは、全米興行収入がショボイ週末である」というハリウッド・ジョークがあるが、今週末は正にそのお天気の話題で持ちきりだったようだ。低迷していると言われた先週ですら1位の『地球が静止する日』の興行成績は3848万ドル(約34億6320万円)だったのに、今週の1位の興行成績はそこから50%の落下である。
ワーナー・ブラザース配給責任者のダン・フェルマン氏がLAタイムス紙に語ったところによると、悪天候がボックスオフィスにおよぼした影響は総額の10%相当にあたるであろうという。金曜日は東海岸での吹雪、そしてワシントン州オレゴン州地域では土曜日にヒドイ天候だったため、全体的に映画ファンの客足に非常な打撃を与えたという。
第2位は、落ち込みたくない方々には絶対におすすめできないなんとも重いドラマ、ソニー・ピクチャーズ製作ウィル・スミス主演の『セブン・パウンズ』(原題)で1600万ドル(14億4000万円)。
冬休みの家族連れで賑わった可愛いネズミのおとぎ話『ザ・テール・オブ・デスパーロウ』(原題)が1050万ドル(約9億7500万円)で第3位。意外な急降下を示したのは先週の1位から66.7%の落下で『地球が静止する日』』1020万ドル(約9億1800万円)。海外興行成績のトータルでも先週1位だった同作品、海外の集計も明日まで確定しないが、果たしてどうなるか?!
全米ボックスオフィスの5位は、依然として元気な季節もの『フォー・クリスマス』(原題)。今週末は770万(約6億9300万円)ドルを売り上げ、見事1億ドル興行収入の大台に達した。映画の成功というのは作品のよしあしはもちろんだが、公開のタイミングという要素がある。『フォー・クリスマス』のような作品を春に公開しても、現在のような成績にはつながらない。また、クリスマス当日に公開してもこれだけ息の長いヒットにはつながらないのである。公開日は絶妙のタイミングが必要とされ、公開日をしくじると担当責任者のクビが吹っ飛ぶことも多々ある。スタジオの上層部にとってリリース日を決定するという一見簡単そうなことが実は非常に大切な仕事であるのはこのためである。
さて、25日木曜日は映画ファンにとってクリスマスプレゼントの洪水のような日である。まずブラピファンのみならず、映画ファン待望の『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』が公開になる。同日公開で、『シン・シティー』のディレクター、『300 スリーハンドレッド』の製作総指揮としてコミックブック的スタイリッシュな映像を売りにするフランク・ミラー監督作品『ザ・スピリット』(原題)、そしてアダム・サンドラー主演おとぎ話チックなファンタジーコメディー『ベッドタイム・ストーリー』(原題)、ジェニファー・アニストンと可愛いワンちゃんのジ~ンとくるラブコメディー『マーリー&ミー』、そして全米拡張ロードショーとなる話題作『フロスト/ニクソン』(原題)、トム・クルーズの問題作『ワルキューレ』、26日金曜日になると、こちらも映画ファンお待ちかねオスカーの呼び声高い『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』、海外映画祭の賞総なめの異色イスラエル映画『ワルツ・ウイズ・バシアー』などが公開予定だ。(取材・文:神津明美 / Addie・Akemi・Kohzu)
映画『イエスマン “YES”は人生のパスワード』は日本では2009年3月全国公開