ゴールデン・グローブ賞受賞!サリー・ホーキンスに話題の映画について聞いた
先日行われたゴールデン・グローブ賞で、見事ミュージカル・コメディー部門最優秀主演女優賞を受賞したサリー・ホーキンスに、新作映画『ハッピー・ゴー・ラッキー』(原題)について語ってもらった。
本作は、人生を明るく前向きに生きていた小学校の教師が、ポジティブな志向だけではうまく渡り歩けない悲観的な現代社会で、人間性が試されていくヒューマン・ドラマ。サリーは、ベルリン国際映画祭でも主演女優賞を受賞している。
ポピーというキャラクターを演じたことについて「どちらかというと、わたしはこのポピーと同じ楽観主義者なんだけど、彼女は別次元にいるくらいのかなりお気楽な人なの(笑)。重要なのは、キャラクターと重なる部分とそうでない部分を含めて、まるで自分の素から出たようなものだと思えるような演技をしなければいけないってこと。だから今回はポピーの持つエネルギーを自由に解放できたと思っているわ」と話してくれた。
マイク・リー監督については「初めて会ったのは2001年くらい。そのときの彼は、何人もの俳優をインタビューという形でオーディションをしていたんだけど、そのやり方は今も変わらないの。どの作品も同じで、常に新しい新人を発掘しようとしているわ。彼とはそれ以来の長い付き合いになるわね。しかも、一度使って気に入った俳優には、また電話して出演依頼をすることもあるのよ。今回のわたしがそのケースで、何度も仕事をこなすと、その人の本質が見えてくるからじゃないのかしら」と話してくれた。
アドリブと撮影前のリハーサルについて「キャラクターを構想してから6か月間くらいは、ずっとリハーサルをしていたわ。最初はキャラクターの基盤を作り上げて、マイク監督とキャラクターを掘り下げていくの。次にマイク監督はキャラクターの特定部分に触れていき、ポピーの場合はエネルギッシュなキャラクターで、人生を楽しんでいる人物というポイントに絞っていったのよ。その後で、別のキャラクターと交錯させて、ポピーのバックグラウンドを考えていくの。そうやってそれぞれのキャラクターも生み出していくから、演じる俳優もやることがたくさんで大変よ!」と語ってくれた。
映画『ハッピー・エヴァー・アフターズ』(原題)という次回作の撮影中に、左手を痛めてしまったサリー。しかしインタビューの際は、この映画のポピーに負けないくらい明るく楽しげな姿を見せてくれた。『ハッピー・ゴー・ラッキー』(原題)は現在アメリカで公開中。日本公開は未定だ。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)