ベルリン映画祭、フォーラム部門に『愛のむきだし』はじめ日本映画4作品!
新人監督によるもの、また冒険的な作品など、新しい才能が紹介されることが多いベルリン国際映画祭フォーラム部門で、31か国からの48作品が上映される中、4作品が日本映画となった。
映画『谷中暮色』のワールド・プレミアが開催される舩橋淳監督は、前作映画『ビッグ・リバー』も2006年のフォーラム部門で上映されている。アメリカを舞台に多数の多国籍スタッフを使って作成した『ビッグ・リバー』とは対照的に、『谷中暮色』では少数のスタッフで小さいカメラを回して谷中の老人たちを撮ったという。
映画『愛のむきだし』のインターナショナル・プレミアが開催される園子温監督も今回が3度目のベルリン映画祭で、観客賞受賞歴もある。本作は新興宗教や盗撮など現代社会の病理を絡めた純愛物語で、人気グループAAAの西島隆弘が主演していることや、4時間近い上映時間でも話題となっている。
前作の映画『選挙』でもベルリン映画祭に参加した想田和弘監督の『精神』は、精神科診療所に通う患者を撮って、釜山国際映画祭とドバイ国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した作品。今回のベルリン映画祭での上映がヨーロッパ・プレミアとなる。
同じく釜山国際映画祭で新人監督作品賞を受賞した市井昌秀監督の映画『無防備』は監督自身が子を授かったことから出産をテーマとした作品。こちらもベルリンがヨーロッパ・プレミアとなる。
それぞれに個性的な日本の4作品がベルリンでどう受けとめられるか楽しみだ。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)