ミッキーマウスが横っ面をビンタされる幻のデビュー作とは?
恋人とケンカをして痛い思いをしたという経験は、何も人間だけの話ではなく、あの人気キャラクターのミッキーマウスにもあるようだ。
それは幻のデビュー作『プレーン・クレイジー』で観ることができる。時は1928年5月18日。大西洋単独無着陸飛行に初めて成功し、世界的名声を得たチャールズ・リンドバーグにあこがれたミッキーは、自動車を改良した手作り飛行機に恋人のミニーを乗せ、大空デートへと飛び立った。暴走する飛行機に悪戦苦闘しながらも、何とか大空へ。ここまではミッキーの努力とロマンチックさがうかがえうるエピソードなのだが、問題はここからだ。
飛行機が安定し、無事空の旅を楽しむミッキーとミニー。ミッキーは空を飛べた喜びと、ミニーと二人きりというシチュエーションに興奮してしまったのか、大胆にもキスを要求。恥ずかしがりながらも、やんわりと断るミニー。今のミッキーならばここであきらめたはずだが、当時のミッキーは飛行機のスピードを上げて、ミニーがおびえている隙に唇を奪うという暴挙に出てしまった。怒ったミニーは、次の瞬間鋭いビンタを放ち、飛行機を飛び降りてしまう。飛行機はバランスを崩し、あれよあれよという間に墜落。ミッキーは頭を地面に打ち付けてしまうが、一番痛かったのはいうまでもなく、ミニーから横っ面をひっぱたかれた強烈なビンタだろう。
本作はミッキーのスクリーンデビュー作『蒸気船ウィリー』より約半年前に完成していた作品なのだが、当時は映画がサイレントからトーキーへと移り変わろうとしていた時代で、サイレントで製作されていた『プレーン・クレイジー』は相手にされず、急きょ製作したトーキーの『蒸気船ウィリー』が配給されたという逸話がある。
なお、飛行機を飛び降りたミニーはパンツをパラシュート代わりに使い、無事に帰宅。ミッキーとミニーの愛の歴史には楽しいだけでなく、強烈に痛い思いもあったようだ。
DVD『ミッキーマウス/B&Wエピソード Vol.1 限定保存版』と
DVD『オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット 限定保存版』は発売中
DVD『ミッキーマウス/B&Wエピソード Vol.2 限定保存版』は1月21日
ウォルト ディズニー スタジオ ホーム エンターテインメントより発売(それぞれ税込み:6,300円)