驚異的ヒット!アカデミー賞9部門ノミネート「スラムドッグ$ミリオネア」現象が勃発中!
第81回アカデミー賞
映画『トレインスポッティング』の鬼才ダニー・ボイルの最高傑作といわれるヒューマン・ドラマ映画『スラムドッグ$ミリオネア』が、先ごろ発表された第81回アカデミー賞で9部門(10ノミネート)を受け、大ヒットのきざしを見せている。
すでにアメリカでは公開11週を迎えているがノミネートの発表を受け、ボックスオフィスが5位まで急上昇。公開当初は10館で24位という寂しいものだったが、その後トロント国際映画祭で最優秀作品賞を受賞したのを皮切りにアメリカにとどまらず世界中の映画祭などで賞を受賞し始めた。驚くのがイギリス人監督で、キャストはほぼインド人という中で、アメリカで数々の賞を受賞していることだ。記憶に新しいところでいうと、ゴールデン・グローブ賞の最多4冠をはじめアメリカ製作者組合賞の作品賞などを受賞したりするなど、細かい賞も入れると今後もまだまだ増えていくだろう。
10館での公開でスタートし、ハリウッドのメジャースタジオがすべて見送ったこの作品が、今では1,400館という公開規模に成長し、単純に計算すれば140倍の成長を遂げたことになる。アカデミー賞のノミネートでは映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』が最多13部門でノミネートされ、一歩リードしているが、『スラムドッグ$ミリオネア』が受賞すれば、ハリウッド製作映画以外で作品賞を受賞するのは映画『ラストエンペラー』以来21年ぶりの快挙となり注目が集まっている。
物語はテレビ番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、賞金を獲得した主人公ジャミールがスラム街出身で無学であることから、教養のないこの青年がクイズに回答できるわけがないと判断され、イカサマ疑惑をかけられるところから始まる。主人公ジャミールがなぜ回答を知るような人生を送ったのか? 多少、荒唐無稽(むけい)なところも感じつつ物語は進んでいくが、それらがすべてラストシーンで許されてしまうダニー監督の手腕が光る。日本での公開は4月。アカデミー賞の結果発表とともに待ち遠しい作品だ。