驚異的!『ウォッチメン』が週末だけで55億円稼ぎ全米第1位に!-3月8日版
全米ボックスオフィス考
今週末の全米ボックスオフィスは、予想通りザック・スナイダー監督映画『ウォッチメン』が、推定5,570万ドル(約55億7,00万ドル)の興行収入を上げて、第1位に輝いた。1億5,000万ドル(約150億円!)の製作費を費やし、3,611館、7,611スクリーンというすさまじい規模の大型ロードショーが敢行されている『ウォッチメン』だが、批評家や一般映画ファンの反応は賛否両論のようだ。(1ドル100円計算)
というのも、グラフィック・ノベルやコミックファンに人気があるとはいえ、バットマンやスパイダーマンのように知名度があまりないことや、さまざまな過去を持つヒーローが登場して、ストーリーが煩雑になっていることなどが、コミックの原作を知らない一般映画ファンの間で不満となっているようである。また、ただのコミックヒーロー映画とタカをくくって、うっかり小さい子どもを連れて行ったとある親が、『ウォッチメン』が始まり、主人公の一人であるDR.マンハッタンが、ミケランジェロも度肝を抜くような(!?)素っ裸で大画面をかっぽしているのを見て(アメリカではボカしがない……)、えらくびっくりしたという憤りの投書を某サイトに送ったらしい。確かに驚きの光景ではあるが、これはR指定作品に小さい子どもを連れて行く親の方がいけないのでは……。
ちなみに3月13日からの週末チャートには、ディズニーの新作で、ザ・ロックことドウェイン・ジョンソン主演の実写アクションアドベンチャー映画『レース・トゥ・ウイッチ・マウンテン』(原題)を筆頭に、新たなライバルがチャートに加わってくる。新作とのバトルで、『ウォッチメン』が果たして1位をキープできるか、非常に興味深いところだ。
さて、2位以下のランキングに目を向けてみると、第2位が、880万ドル(約8億8,000万円)の売り上げで、映画『タイラー・ペリーズ・マデア・ゴーズ・トゥ・ジェイル』(原題)となり、依然としてオバちゃんパワー強し! そして第3位は根強い人気でリーアム・ニーソン主演映画『テイクン』(原題)がランクインし、745万ドル(約7億4,500万円)の成績。『テイクン』(原題)は先週の第4位から再浮上しており、比較的マイナーな作品にもかかわらず、非常に珍しい勢いを見せている。
第4位は、『テイクン』(原題)に巻き返しを食らって、ワンランクダウンの映画『スラムドッグ$ミリオネア』で、693万ドル(約6億9,300万円)の売り上げ。そして、第5位も先週の第6位から驚きの再浮上で、映画『ポール・ブラート:モール・コップ』(原題)が420万ドル(約4億2,000万円)という結果だった。
ここで次回のランキング予想だが、前出のディズニー実写作品『レース・トゥ・ウイッチ・マウンテン』(原題)が、老若男女問わず客層を独り占めしそうな気配が強い。気が付いたら二人の宇宙人(外見はカワイイ子ども!)を助け、地球を悪者たちから守るためにバトルをする羽目となる、気は優しくて力持ちのタクシー運ちゃんとその子どもたちをめぐる冒険アドベンチャーである。運ちゃんを演じるドウェインは、日本での知名度はイマヒトツだが、アメリカでは元人気プロレスラーという肩書きも手伝い、メチャクチャ強いけど少々ドジなかわいいオヤジを演じさせたら、この人の右に出るものはいないくらいの人気アクターなのだ。そんな彼が主演の『レース・トゥ・ウイッチ・マウンテン』(原題)は、現在1位の『ウォッチメン』に対して最強のライバルとなることが予想される。
このほかの封切り作品は、季節外れだが、かなり怖そうなホラー映画『ザ・ラスト・ハウス・オン・ザ・レフト』(原題)、そしてキーラ・ナイトレイとシエナ・ミラー主演の映画『ジ・エッジ・オブ・ラブ』(原題)などが控えている。取材・文:神津明美 (Addie Akemi Kohzu)