リアルな熱気が結果!映画館が選ぶ2008年映画館大賞が決定!
さまざまな映画賞が乱立する中で、まさに真打ちというべき映画賞、全国の映画館スタッフが選ぶ、2008年映画館大賞が決まった。
この賞は北海道から沖縄まで全国の独立系映画館110館の協力を得て、映画館スタッフの投票によりスクリーンで観てほしい映画のベストテンを決める「映画館大賞」のベストテン作品だ。
映画をよく知り尽くしている映画館スタッフが、「あの作品を上映したときの会場の熱気はスゴかった」「上映後の満足げなお客さんの表情は忘れられない」「この作品はもっと多くのお客さんに観られていいんじゃないか」など映画館の生の声をフィードバックして投票しているだけに、リアルな結果になっている。
映画館大賞実行委員会によると1位の映画『ダークナイト』と、2位の映画『ぐるりのこと。』が映画館スタッフの圧倒的な支持を得て、最後まで1位争いのデッドヒートを繰り広げていたらしい。映画館大賞実行委員会の分析によるとこの2作品には共通点があるという。「両作ともに共通して描いている闇。アメリカと日本とで遠く離れた場所で作られていながら、決して明るい話題ばかりではなかった2008年の時代の雰囲気を図らずも共有しています。『ダークナイト』の、ヒース・レジャー演じるジョーカーの絶対的な闇と対峙(たいじ)するには、そして、『ぐるりのこと。』の、人の心の深い闇が再生の光へと向かっていく10年の歳月を肌身に感じるには、やはり日常と切り離された映画館の暗闇がふさわしいのではないか。映画が描き出す闇と光とを是非劇場でまざまざと感じてもらいたい、そんな映画館スタッフの思いが反映されているのではないでしょうか」と映画館スタッフならでは視点でコメントした。
選ばれた作品は、公開規模が大きなものから、地道に規模を広げていったものまで多種多様、映画館スタッフの思いが感じられるリアルな結果となった。
映画館大賞は以下のとおり
■映画館大賞ベストテン作品(対象/2007年12月1日~2008年11月30日に封切られた全ての映画)
1 『ダークナイト』
2 『ぐるりのこと。』
3 『おくりびと』
4 『歩いても 歩いても』
5 『トウキョウソナタ』
6 『イントゥ・ザ・ワイルド』
7 『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』
8 『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
9 『ノーカントリー』
10 『崖の上のポニョ』
(以下11位から20位)11 『闇の子供たち』、12 『クライマーズ・ハイ』、13 『ラスト、コーション』、14 『接吻』、15 『イースタン・プロミス』、16 『レッドクリフ Part I』、17 『ダージリン急行』、18 『アフタースクール』、19 『ザ・マジックアワー』、20 『落下の王国』
■特別部門
「あの人の一本」
みうらじゅん(イラストレーターなど) 『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』
岩井俊二(映画監督) 『おくりびと』
蒼井優(女優) 『百万円と苦虫女』
「蘇る名画」
『幸福』(1981年)監督:市川崑(市川崑監督特集より)