観客の79パーセントが女性!『ハンナ・モンタナ』が全米第1位!-4月13日版
全米ボックスオフィス考
4月10日からのアメリカの週末は、復活祭で学校や会社も休みのところが目立った。そんなウイークエンドの第1位に輝いたのは先週の予想通り、マイリー・サイラス主演のディズニー映画『ハンナ・モンタナ・ザ・ムービー』(原題)で、3,230万ドル(約32億3,000万円)の収益を記録した。(1ドル100円計算)
アメリカの映画館3.118館、4.200スクリーンで大々ロードショー中の同作品だが、ディズニーが各映画館で取ったアンケートによると、同作品を観に来ていたお客の何と79パーセントが女性で、そのうちの60パーセントは18歳以下という統計が出ており、お母さんに付いてきてもらって映画を観に来ていたティーンの女の子たちも多かったようだ。マイリーは、今やアメリカの少女が最もあこがれる親も公認(!?)のアイドルとなり、押しも押されぬ大スターとなった。
今週のランキングで興味深かったのは、『ハンナ・モンタナ・ザ・ムービー』(原題)が封切られた4月10日には、同作品が1,740万ドル(約17億4,000万円)を記録し堂々の1位なったものの、翌日の土曜日には収益が40パーセントも下降し、映画『ワイルド・スピード』の最新作映画『ファスト・アンド・フューリアス』(原題)が1位となったことだ。金曜日に収益が大きかった理由として考えられるのは、金曜日がグッドフライデーと言われる感謝祭前の祝日にあたり、学校や政府管轄の機関は休みのところが多く、子どもを中心としたハンナ・モンタナのファンが映画館に押し寄せたからかもしれない。
2位は、前出の『ファスト・アンド・フューリアス』(原題)で2,720万ドル(27億2,000万円)の収入。11日の土曜日だけは1位になったものの、全体的には62パーセントの収入ダウンと少々ガス欠気味。だが、10日間で国内だけですでに1億1,650万ドル(約116億5,000万円)という驚異的な興行収入を記録しているので、もとは取れたというところだろうか。
3位は、依然頑張っている映画『モンスターVSエイリアン』で、2,180万ドル(約21億8,000万円)の成績。まだまだ上位に踏みとどまれるパワーがあるといったところか。ちなみに週末収入の60パーセントは、3D版からという興味深い数字も出ており、これからの映画業界の指針となる結果として業界からも注目を集めている。
4位は初登場で、お笑い男セス・ローゲンの新作映画『オブザーブ・アンド・リポート』(原題)で1,100万ドル(約11億円)の売り上げ。いつも初登場時には、興行収入に関して勢いのあるセスの作品だが、今回はコメディーといえどもR指定でダークなユーモアが売りのため、いつもの客足と様子が異なるようだ。また、『オブザーブ・アンド・リポート』(原題)は、セスにとってまるで映画『ケーブル・ガイ』(ジム・キャリー主演のダークコメディー)のようだ……とも言われており、セスの今までのヒット作映画『スモーキン・ハイ』『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』に比べると、ダーク過ぎるために客の反応が鈍いのかもしれない。
さて今週、“よく生き残りました賞“をあげたいのは、5位の映画『ノウイング』。ニコラス・ケイジ主演の特撮満載世紀末サスペンスだが、トップ5に生き残り640万ドル(約6億4,000万円)を売り上げた。こちらの作品は、先週から比べると収益が22パーセント下がったにとどまった。
そして、今週残念だったのは映画『DRAGONBALL EVOLUTION』。製作前の評判の方が、できてからの評判よりも高いというふがいない結果になっている。アメリカの劇場2.181館で封切られたばかりなのに、週末興行成績は8位止まりの480万ドル(約4億8,000万円)。次作がすでに検討されているらしいが、果たしてどうなることか……。
最後に、4月17日公開のラインナップを見てみよう。まずは、ラッセル・クロウ、ベン・アフレック主演の映画『消されたヘッドライン』。政治家(ベン)の浮気相手が殺された事件を調べているジャーナリスト(ラッセル)が、やがて想像を絶するような陰謀にぶち当たるという、どこかで聞いたようなストーリーライン。アカデミー賞女優ヘレン・ミレン、注目株のレイチェル・マクアダムスなどが脇を固めており、一見豪華キャストではあるが、こういった類の映画には少々食傷気味の映画ファンたちが果たしてどれだけ映画館へやって来るか注目されている。
一方、『消されたヘッドライン』と一騎打ちになりそうなのが、ザック・エフロン主演の映画『セブンティーン・アゲイン』。30代の男性がある日起きたら17歳に戻ってしまうという、トム・ハンクス主演の名作映画『ビッグ』を逆にしたようなストーリーだ。『消されたヘッドライン』よりも、軽い気分で観られて老若男女にウケそうな、あったかコメディー路線は政府の陰謀サスペンスを打ち負かすかもしれないパワーを秘めている。来週のランキング結果が楽しみだ。(取材・文 神津明美 / Addie・Akemi・Kohzu)