フランシス・フォード・コッポラ監督、新作をカンヌ国際映画祭の監督週間へ出品
フランシス・フォード・コッポラ監督の、自身の財産をつぎ込んで制作した映画『テトロ』(原題)がカンヌ国際映画祭の監督週間で上映されることになった。
この映画は、アルゼンチンへ移住したイタリア人移民の家族の中で生まれた兄弟の姿を描く白黒作品で、コッポラ監督の半自伝的物語となっている。兄をヴィンセント・ギャロ、弟を新人のアルデン・エーレンライクが演じるほか、スペイン人女優のカルメン・マウラ、オーストリア俳優のクラウス・マリア・ブランダウアーが出演している。ハリウッド・レポーター紙によると、この映画は当初、カンヌ国際映画祭で正式招待作品として公開するオファーを受けたが、コッポラ監督はこれを断り、「招待はありがたいが、これは独立系の映画で、自主制作、自主公開作品なので、正式招待作品として公開されることは、この作品本来の独立的・個人的性質に反する」と語っていた。そこで、改めて監督週間からのオファーを受けて公開されることに。
カンヌ国際映画祭の監督週間は、1969年にフランス監督会によって設立された、非コンペティション部門で、広く知られていないフィルム・メーカーの作品や、ドキュメンタリー、自主映画、短編などを上映している。コッポラ監督は1979年に、映画『地獄の黙示録』でパルムドールを受賞した映画界の重鎮だが、今年のカンヌ国際映画祭では、映画初監督の若手監督たちとも肩を並べて上映に臨むことになる。