ノーマークの作品がトップに!?ビヨンセの『オブセスト』が全米ナンバーワン!-4月27日版
全米ボックスオフィス考
大型作品にとぼしかった今回のチャート争いだったが、何とビヨンセの新作がザック・エフロン作品を第1位からけ落とし、ジェイミー・フォックスの新作も振り切って全米ナンバーワンを勝ち取った。
映画『オブセスト』(原題)は、ハンサムなご主人を横取りしようと執拗(しつよう)に追いかける白人女性と、ビヨンセ演じる奥さんの壮絶な戦い(!?)を描いたサスペンス・メロドラマで、2,860万ドル(約28億6,000万円)の興行成績を上げたばかりか、ボックスオフィス全体の売り上げを、去年の同時期と比べて25パーセントも引き上げる結果をもたらした。
第2位は、女王ビヨンセからけ落とされてしまったザック主演の映画『セブンティーン・アゲイン』で1,152万ドル(約11億5,200万円)の売り上げ。第2位だが、売上率は先週から51.4パーセントもダウンしてしまった。
第3位は、これも予想外な作品で映画『ファイティング』(原題)の1,102万ドル(約11億200万円)。アラバマ州出身の若手新人スター、チャニング・テイタム主演の格闘技ドラマだ。配給のユニバーサル・ピクチャーズが週末に映画を観に来ていた観客から取ったアンケートによると、『ファイティング』(原題)を観に来ていた58パーセントが男性客で、66パーセントが25歳以下、そしてヒスパニック系の観客が一番の割合を占めており、全体の39パーセントだったという統計が出ている。日本と同様に、アメリカでも格闘技人気は根強いようだ。
チャートに戻って第4位は、やはりストーリーの重さが良くなかったのか、初登場ながら972万ドル(約9億7,200万円)の売り上げで、ジェイミーとロバート・ダウニー・Jr主演の映画『路上のソリスト』。2.024館2.200スクリーンでの大型公開だったにもかかわらず、少々残念な結果に終わってしまった。
第5位となったのは、ディズニー映画の地球、自然系の作品を扱う専門部門ディズニーネイチャーの初作品で、実写ドキュメンタリー映画『アース』。4月24日(金)から4月26日(日)の週末興行収入は880万ドル(約8億8,000万円)を記録した。本来なら新作が公開される定例の金曜日より一足先に、映画のテーマにちなんだ地球の日である4月22日(水)に公開され、水曜日から木曜日の興行収入も合わせると、『アース』の週末が終わった時点での全米興行収入は1,450万ドル(約14億5,000万円)という成績になる。
さて、次回のチャートで上位入りが予想される5月1日(金)の封切り作品を3本紹介しよう。まずは第1位で間違いなしだと思われる、ファン待望の『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』。ヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンの生誕の謎が明かされる。この1週間、大手ネットワークのトークショーなどで、ヒューが自分の映画をPRする場面が目立ち、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』を扱ったテレビCMや雑誌などでの特集記事、そしてビルボードなどの多さを見ると、配給のフォックスの同作品への意気込みが感じられる。
『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』がやや男性客に好かれる作品だとしたら、映画『ゴースト・オブ・ガールフレンズ・パスト』(原題)は女性客とカップル向けだろうか。マシュー・マコノヒーとジェニファー・ガーナー主演のラブコメ作品である。そして、注目の3作目はアニメーション作品映画『バトル・フォー・テラ』(原題)だ。この作品は、映画『モンスターVSエイリアン』の前に放映された予告編の一つで、話題の3D作品。出てくるアニメキャラは、『モンスターVSエイリアン』のようにあまりかわいくないのだが、内容がSFチックで宇宙戦争のシーンが満載となっているため、3Dアニメファンや子どもたちはかなり楽しめる作品ではないかと思われる。『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』や『ゴースト・オブ・ガールフレンズ・パスト』(原題)に興味のない親子連れが、『バトル・フォー・テラ』(原題)に詰めかけて売り上げを伸ばす可能性がある。(取材・文 神津明美 / Addie・Akemi・Kohzu)