木村拓哉を壊す?ボロボロの肉体、乱れた服がたまらなく美しい!フランス人監督が激白!
木村拓哉 、ジョシュ・ハートネット、イ・ビョンホンという日米韓のスター俳優の競演が話題の映画『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』で、トラン・アン・ユン監督がこのほど都内で単独インタビューに応じ、木村との撮影秘話などを聞いた。
本作は監督自身が長い間、温め続けてきた念願の企画で、「世界中の人々によく知られている、ある古典的な存在を今風のモダンなものにし、しかもアジア的なイメージを与えて描きたかった」。その大役を果たしたのが木村で、他人の痛みを身代わりとなって引き受ける不思議な力を持つ役どころだ。「生涯の中であのような役を演じられる役者なんてめったにいないはず。そういう意味では拓哉も満足してくれたんじゃないかな」とちゃめっ気たっぷりに話した。
キャスティングについては「この映画を作る際、アジアのスター俳優を起用するという大きな取り決めがあった。その中でたどりついたのが拓哉だったんだ。スターである以上に、ものすごく大きな可能性を持った彼に出会えたことはとてもラッキーだったよ」と絶賛する。木村の魅力について、「肉体的に美しいし、顔もハンサム。日本人が彼に対してどういうイメージを持っているかはよく知っていたが、その上であえて僕は、今までのイメージを壊して、まったく別の美しさを作り上げようと思ったんだ」と目的を確実に達成させたようだ。
木村の登場シーンの中で、トラン監督が一番美しいと感じているのは、銃で撃たれたシタオが洞窟(どうくつ)の中で傷を癒し、再生するシーンという。雨に打たれて髪や顔には付着物が散乱し乱れ切った状態、服装はボロボロ。しかし「あんなに美しい拓哉は見たことがないはず」と断言する。
さらに、「彼は即興的に役を作り上げる名人。あの薄暗い洞窟(どうくつ)や虫、草などすべての環境をうまく利用して、自分の演技をするんだ。彼が演じているとき、僕は一切カットの声をかけなかった。気が済むまで演じて、自分でもういいと思ったら彼は勝手にカメラの前から姿を消すんだよ」と意外な撮影の裏話を明かしてくれた。木村をはじめ、優れた感性を持つスター俳優とトラン監督の美意識が織り重なって生まれた本作。3人のファンはもちろん映画の中に芸術性を見いだしたい人にとっても刺激的な作品となりそうだ。
映画『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』は6月6日より全国公開