アル・パチーノ、死の医師と呼ばれたジャック・ケヴォーキアンを演じる?
これまで何度も実在の人物を映画で演じてきたアル・パチーノが、末期病患者の積極的安楽死を推進しているアメリカの病理学者ジャック・ケヴォーキアンを演じるかもしれない。
ハリウッド・レポーター紙が伝えたところによると、HBOフィルムズが製作するジャックの伝記映画『ユー・ドント・ノウ・ジャック』(原題)へアルが出演交渉中とのこと。作品は、映画『バンディッツ』のバリー・レヴィンソン監督がメガホンを取り、脚本はアダム・メイザーが手掛ける。
ジャックは、末期病患者の自殺幇助(じさつほうじょ)を行い、自作の自殺装置により130人にもおよぶ患者を死に至らしめた元医師で、彼は「殺人医師」や「死の医師」と呼ばれタイム誌の表紙も飾っている。1998年には、筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患の筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)の患者を自殺装置で死亡させた記録がアメリカCBSテレビの番組「60ミニッツ」で放送され、これにより第二級殺人罪で告訴された。1999年に有罪判決が下されジャックは刑務所に収監されていたが、2007年に健康状態の悪化により仮釈放され、翌年には下院選挙へ出馬している。映画では、ジャックの自殺装置や安楽死推進について描かれる予定で問題作になるのは間違いないだろう。
以前、ジャック役にはベン・キングズレーが候補に挙がっていた。ジャックはアルとよく似た彫りの深い特徴的な目を持っていることから、外見的にそっくりで演技派のアルに白羽の矢が立ったのかもしれない。