デヴィッド・ボウイの息子で映画監督のダンカン・ジョーンズにインタビュー!
イギリスの大物アーティスト、デヴィッド・ボウイの息子であるダンカン・ジョーンズ監督が、新作映画『Moon(ムーン)』(原題)について語ってくれた。
本作は、地球に主要なエネルギー源である鉱石を採掘するために、月の基地に滞在していた男サム(サム・ロックウェル)が、自分のクローンと対峙(たいじ)するというSFスリラー。基地内にいるロボットの声を、ケヴィン・スペイシーが担当している。
サムの起用について「実は別の映画の依頼で3年前に会っていたんだ。そのときは、デビュー作にしては規模が大きく、それにサムは別の役をやりたいって言ってね。結局は予算の都合上で製作することはできなかったわけだけれど、それ以来僕はサムを使いたいと思っていたんだ。それと1970年代後半から1980年代のSF映画が、お互いに大好きだってことがわかったんだ」とのこと。
かなり詳しくリサーチを重ねて制作された作品だが、NASAの反応は? 「NASAのスペースセンターで試写会が行われたんだけれど、80パーセントがNASAの職員だった。その中で、劇中に登場したものが実際に研究されていることがわかったんだ。月にある資源を利用したムーンクリートという、コンクリートのようなものなんだけれどね。それを聞いたときは驚いたよ!」とダンカン監督。
父親のデヴィッドも、傑作SF映画『地球に落ちて来た男』などに出演しているが、父親からの影響はなかったのか? 「確かに『地球に落ちて来た男』に似ている部分はあるかもね。でも、それは周りから言われて初めて気付いたし、まったく意識していなかったことなんだ。僕が小さいころに両親が離婚して、親権は父親が持っていたから、彼からの影響はすごく受けたよね」とのことだ。本作は、批評家から絶賛されている。ちなみにダンカン監督は30代。期待の新星登場といった感じだ。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)