ジェームズ・ブラウン、B・B・キング……貴重な音楽ドキュメンタリーが完成！

　アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞の映画『モハメド・アリ かけがえのない日々』の編集マンだった、ジェフリー・レヴィ＝ヒントが、初監督作品映画『Soul Power（ソウル・パワー）』（原題）について語ってくれた。

　本作は、1974年にアフリカのザイールの首都キンシャサで行われたアリとジョージ・フォアマンの伝説的試合の前に開催された音楽イベント「ブラック・ウッドストック」を追った記録映画。ジェームズ・ブラウン、B・B・キング、セリア・クルース、ビル・ウィザースらのライブ演奏が収められた音楽ファン必見の作品だ。

　「ほとんどのアーカイブ映像は、ニュージャージー州にあるアーカイブ映像の保管庫から借りた映像さ。それでも当時撮影された3分の１しか残っていなくて、ユニバーサル・ピクチャーズのアーカイブ保管庫から借りた映像も入っているのさ」と音楽中心の本作について語る。

　監督したジェフリー自身が製作段階で影響を受けた楽曲も入っているという。「アフリカの音楽なんか全然知らなかったけど、ミリアム・マケバの曲を聴いたときは、度肝を抜かれたよ！　それから5人組のザ・スピナーズ。最近は彼らの曲ばかり聴いているよ。貴重なアーティストたちによるライブ映像と舞台裏の声が聞けるなんて、そんな機会めったにないから、本作は貴重な映像を観ている感覚にさせられるんだ」と自信をのぞかせる。

　編集マンやプロデューサーとしての顔を持ち、秀作を生み出してきたジェフリー監督。「今回監督になったのは偶然さ。もちろんいつか監督になりたいとは思っていた。ただし、プロデューサーとしていろいろな監督を見てきたから、映画を志している人たちに『輝いた世界に見えるが、その分ひどい生活を送らなければならないよ』と勧めていなかったんだ（笑）。ほかの監督を雇って作らせることもできた。でも予算は少なかったし、自分の主観的な意見を主張することになるだろうから、それならば自分で監督をした方がいいということで監督をすることになったんだ」と初監督を試みた理由を語ってくれた。（取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki）