ジェームズ・キャメロン監督の元妻が新作映画を語る!イラク爆発物処理班には女性も!
映画『ニア・ダーク/月夜の出来事』『K-19』などでおなじみの女性監督キャスリン・ビグロー監督が、新作映画『The Hurt Locker(ハート・ロッカー)』(原題)について語ってくれた。本作は、世界一危険な職業といわれる、イラク市内に駐屯しているアメリカ陸軍爆発物処理班に所属する屈強な男たちを描いた作品
原案となった映画『告発のとき』などで知られるジャーナリスト、マーク・ボールについて。「彼が2004年に、バグダッドで爆発物処理班の取材をするって話を聞いたの。そして2005年にイラクから戻ってきたマークは、詳しく体験談を話して聞かせてくれたの。わたしはそれを脚本にすべきだって言って、執筆してもらったのよ。それから企画が動くまで約1年もかかったけど」と語ってくれた。
爆発物処理班の行動を観察した体験について。「一番最初に興味を持ったのが、彼らの着ているスーツなの。映画で使われたスーツも本物と同じ。スチールのプレートでできていて、重さは約40キロくらい。その上にかぶるヘルメットは呼吸しづらいもので、30度以上の炎天下の中で仕事をするのよ。まるで刑罰を受けているような過酷な仕事ね。彼らが最初に若い訓練生にやっていたことは、ヘルメットをかぶらせて閉所恐怖症ではないかチェックするの。それから45分間、そのスーツを着たまま、呼吸しにくい状態で、地面に置かれたぺーパークリップを一つ一つ7メートル離れた場所に移動させるという訓練をしていたわ。それに合格したら、次のステップに進むシステムなの」とのこと。
爆発物処理班の中には何と女性の姿もあったとか。「訓練生を観察していたときに見たわ。ちょうどわたしがチームリーダーと話していたとき、訓練生の一人がヘルメットを取ったら、長いカーリーヘアーの女性だったの! とにかく驚いたわね。すごい根性よ」と関心したように語ってくれた。
かつてジェームズ・キャメロン監督と結婚していたが、今や女性監督でも名の知れた監督として成功を収めたキャスリン監督。いまだ女性監督が少ないことを嘆いていたが「いつか性別を越え、まったく性別を意識しない映画界になってくれることを願っているわ」と最後に付け加えた。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)