『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』35万人動員のロケットスタート-6月29日版
映画週末興行成績
全国約120スクリーンで公開された映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』が、拡大公開中の大作群を抑え堂々の初登場第1位を獲得。初日2日間で観客動員35万人突破、興行収入5億円突破の爆発的数字を記録し、1スクリーンあたりのアベレージも400万円を超えるロケットスタートを切った。
大人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」(1995年から1996年放送)を再構築した映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』4部作シリーズの第2弾。テレビ版未登場の新キャラクターが登場する約2年ぶりの新作とあって、全国各地の劇場に熱心なファンが詰めかけ、鑑賞後は毎回終了時に拍手が沸き起こるなど満足度も高いという。東京都内最大級の客席数を誇る新宿ミラノでも、深夜の上映回で1,064席がほぼ満席となり、エンドコール時には拍手と歓声でにぎわった。そのほか、全国各地で昼前には全回売り切れの劇場が続出するなど、多数の劇場で日計動員記録を更新。前作の映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』は約80スクリーンで公開され興収20億円を稼いでいるが、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の勢いがどこまで続くか注目されている。
そのほか、ベストテン内に大きな変動はなく、公開5週目に入った映画『ROOKIES -卒業-』は第2位。公開30日間で動員550万人を突破、興収も67億円を超え70億円も目前と、今年のナンバーワンヒット記録を更新中。
第3位の映画『トランスフォーマー/リベンジ』は世界中でも大ヒットを記録している。アメリカでは24日に4,234スクリーンで公開され、オープニング5日間で約2億ドル(約192億円)を突破し、本年度のオープニングナンバーワンと水曜日初日のナンバーワンなどさまざまな記録を打ち立てた。
惜しくもベストテン圏外ながら、映画『ゆれる』の西川美和監督の最新作映画『ディア・ドクター』が初登場第11位。人気噺(はなし)家、笑福亭鶴瓶が映画初主演を飾ったことでも話題の本作は、へき村を舞台に、住民から絶大な信頼を得る中年医師の知られざる姿が浮き彫りになっていく様をサスペンスフルに描きながら、無医村問題、高齢化など現代が抱える社会問題に鋭く切り込んだ人間ドラマ。全国49スクリーンで公開され、初日2日間で動員2万6,648人、興収3,513万3,550円と好成績を上げた。
次週は、漫画の神様・手塚治虫の問題作を原作にした映画『MW -ムウ-』、昨年からブームが再燃し流行語トップ10にもなったプロレタリア文学の作家、小林多喜二の代表作を映像化した映画『蟹工船』などの話題作が公開されるが、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の熱狂的人気が、ライバル作を圧倒しそうだ。