マイケル・ムーア、新作は経済危機を題材に皮肉たっぷり“ロマンス”風
映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』『華氏911』など社会派ドキュメンタリーを世界に発信してきたマイケル・ムーア監督が、次回作として世界を揺るがせている経済危機をとりあげることになった。タイトルは『キャピタリズム:ア・ラブ・ストーリー』(原題)で、“資本主義”という禁じられた愛の姿を描くもの。
ムーア監督自身「ロマンス」と呼んでいるが、くせもの監督らしい皮肉が利いた作品となりそうだ。ムーア監督は「この映画にはすべてがある。愛欲とか情熱、ロマンス、それに、日々1万4,000もの仕事が失われていくところとか……デートにぴったりの映画さ!」と語っている。ムーア監督といえば、1989年のデビュー作映画『ロジャー&ミー』で今年6月に破産法を申請したゼネラル・モーターズを題材に、故郷ミシガンの自動車工場の閉鎖で増加した失業者の姿を描き、以後、ムーア監督のゲリラ的取材を生み出すことになったが、新作では「大企業が持つ計り知れない利益追求の精神が、いかにアメリカ人に、また世界の人々に災難をもたらすかを描いている。今回の罪はジェネラル・モーターズよりもずっと大きく、ミシガンよりもずっと広域なものだよ」と語っている。