アスペルガー症候群を真正面から描いた真摯なドラマ!迫真の演技のヒュー・ダンシー
映画『いつか眠りにつく前に』『お買いもの中毒な私!』などで知られるイケメン俳優ヒュー・ダンシーが、新作映画『Adam(アダム)』(原題)について語ってくれた。
本作では、小学校教師ベス(ローズ・バーン)が引っ越し先のビルで、玩具会社のエンジニアとして働くアダム(ヒュー・ダンシー)と出会う。そこでアダムが、アスペルガー症候群(知的障害が見られない発達障害)であることを知る。アスペルガー症候群の対人関係を真摯(しんし)に描いた秀作ドラマだ。
アスペルガー症候群のリサーチについて「脚本を読んだ時点では、まだアスペルガー症候群については、知らなかったんだ。実際に、アスペルガー症候群の人たちに会ってみて、彼らの行動や振る舞いを知ることができたんだ。彼らは非常に寛大で、自らの人生を隠さずに話してくれたよ」と語る。
「アスペルガー症候群の人たちだけでなく、誰もが日々、対人関係には苦労しているよね? それを理解した上で、まず俳優として普段頼っているアイ・コンタククト、リアクション、共感、コミュニケーションを、断ち切った形で演じたんだ。さらに、冷たい人物ではなく、感情や動きを通して、持って生まれたものであることを表現するのは、自分にとって挑戦だったよ」とその熱演を語る。
実際に、本作をアスペルガー症候群の人たちに観賞してもらったという。「ニューヨーク、ロサンザルス、ボストンで、アスペルガー症候群の人たちとその家族に観てもらった。そしてほとんどの人たちが満足してくれて、うれしかったよ。この映画が、彼らの人生に大きな意味合いを持ってくれたら最高だよね」とのことだ。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)