香港映画界初のハリウッド映画リメイクを成功させたベニー・チャン監督を直撃!
香港映画界初の試みとなったハリウッド映画逆リメイクを大成功へと導いたベニー・チャン監督が、映画『コネクテッド』について語ってくれた。
本作のオリジナル版は、オスカー女優キム・ベイシンガー主演のサスペンス映画『セルラー』。謎の組織に誘拐された女性が、壊れた電話を使って偶然つながった男性に助けを求めるという奇抜なアイデアと、その男性が謎の組織の目を欺きながら女性救出にすべてを懸けるスリリングな展開が話題を呼び、日本でもスマッシュヒットを記録した一本だ。
ただでさえ、手に汗握る一級のアクション映画として成立しているオリジナルを、単なる焼き直しではなく、香港印のリメイク版として成功させた要因はどこにあるのだろうか。ジャッキー・チェンとコンビを組み、数々の傑作映画を生み出してきたベニー・チャン監督は「オリジナルの舞台は、広大なアメリカ西海岸の広々とのんびりした砂漠。だからリメイクするなら都会を舞台に、渋滞があって反対車線に突っ込むようなカークラッシュを引き起こし、用水路や市街地を猛スピードで走らせるなどの刺激とスリリングさを増やしたかったんだ」とアクション映画監督ならではの視点で語る。
ストーリーラインは、ほぼオリジナルを踏襲する形で進行する『コネクテッド』だが、スタイリッシュとは程遠いアナログなアクション場面はハラハラドキドキの連続で、一気に引き込まれてしまう。「コンセプトは臨場感。カーアクションでも格闘シーンでもCGは一切使っていないんだ。それに危険なシーンもできるだけ俳優にやってもらったんだよ」と強いこだわりを語るが、そこにはオリジナルを超えなければならないというプレッシャーとアクション大国香港のプライドが垣間見える。「観客は、必ずオリジナル版と見比べるだろう? それは大きなプレッシャーでもあるんだ。香港アクションは世界的に高い評価を得ているジャンルだから、アクションの素晴らしさやスリルの面ではオリジナルを超えなければいけないんだ」。
そして、その意気込みと才能はハリウッドにも届いたようだ。「いくつかの企画は持ちかけられているよ。ほとんどがアクションだけど、いつか気に入った脚本と出会えれば、そのときは撮りたいね!」と世界進出も視野に入れているようだ。
映画『コネクテッド』は8月1日より新宿武蔵野館ほかにて全国公開