日本のホッキョクグマに、ヒンヤリとした氷をプレゼント!
人間の手によって命を救われた子グマの姿を描いたドキュメンタリー映画『クヌート』の公開を記念して、26日、恩賜上野動物園で飼育されているホッキョクグマのレイコとユキオの元にヒンヤリとした氷のプレゼントが届けられた。
同園の小宮輝之園長が『クヌート』の日本語吹替版を監修した縁から、今回の贈呈式イベントが実現。ホッキョクグマ舎の前には、親子連れやカップルなど、およそ200人の来場者が集まった。
小宮園長は冒頭のあいさつで、「地球温暖化により氷が少なくなり、北極で暮らすホッキョクグマは2万頭しかいません。上野動物園のホッキョクグマ舎は日本初のものだが、今までホッキョクグマの子どもが育ったことがない。うらやましいことに、ベルリン動物園では、3年前にクヌートが生まれて今も元気に育っている。これから施設を改装して、上野動物園でもホッキョクグマを繁殖させるように努力したい」と抱負を語った。「今日はとても暑いですが、ホッキョクグマだって暑いときには水に入りますし、氷を貰えるのはとてもうれしいんです」と付け加えた。
プレゼントされた3つの氷の大きさは、幅1メートル40センチ、高さ70センチ。氷の中にはレイコとユキオの大好物であるキャベツ、リンゴ、スイカ、ニンジン、ソーセージなどが埋め込まれており、ユキオとレイコは氷を見つけるやいなや、すぐにガリガリとかじり始めた。
夏本番で、強い日差しが照りつける炎天下の中、集まった人たちは皆、汗だくだったが、ガリガリと氷をかじるレイコとユキオの涼しげな姿を見ているうちに暑さを忘れていった様子。自然と「かわいい」「おいしそうに食べているね」といった声があがっていた。
映画『クヌート』は角川シネマ新宿ほかにて全国で公開中