名バイプレーヤーとして知られる俳優の山田辰夫さん、胃がんで死去
俳優の山田辰夫さんが胃がんのため26日に亡くなり、葬儀は27日に近親者のみで行っていたことがわかった。53歳だった。また、山田さんが出演した映画『おくりびと』の滝田洋二郎監督、遺作となった映画『沈まぬ太陽』の若松節朗監督が追悼のコメントを発表した。
映画『阿修羅城の瞳』『おくりびと』などで山田さんを起用し縁の深い滝田監督は、痛恨の思いを込めて「山田さんは大切な友人でもあり、かけがえのない俳優を亡くし、本当に悔しい。もっともっと山田辰夫を撮りたかった。一緒に映画を撮れたことが、自分の誇りです。ありがとう」と名優との早い別れを惜しんだ。
遺作となった『沈まぬ太陽』で山田さんを起用した若松監督は、「人間の機微を表現できる素晴らしいバイプレーヤーで、円熟味を増したこれからが彼の第二のスタートだったので、かけがえのない男を失ってとてもつらいです。『沈まぬ太陽』が遺作になってしまいましたが、彼が魂を込めて演じた姿を、映画を通して観ていただければと思います」と山田さんの功績をたたえ、自らの深い悲しみをコメントにした。
山田さんは富山県出身で、1975年12月、劇団「GAYA」の創立メンバーとして活躍中の1980年、石井聰亙監督の映画『狂い咲きサンダーロード』に主演し映画デビュー。この作品で日本アカデミー賞、報知映画賞、ヨコハマ映画祭の各新人賞を受賞。その後も映画『すかんぴんウォーク』『壬生義士伝』『眉山 -びざん-』など多くの映画に出演し、個性派俳優として活躍した。テレビドラマへも多数出演作品があり、『止まり木ブルース』シリーズ、『暴力商売』シリーズなどのVシネマにも数多く出演していた。
9月上旬に、山田さんとの別れの会を開く予定となっている。
映画『沈まぬ太陽』は10月24日より全国東宝系にて全国公開