アジア初の本格ウエスタンが登場!韓国と西部劇の相性はいかほどか?
韓国を代表する3人の俳優イ・ビョンホン、チョン・ウソン、ソン・ガンホが、体当たりのガン・アクションを繰り広げる映画『グッド・バッド・ウィアード』が、アジア初の本格ウエスタンとして西部劇ファンの熱い注目を集めている。
映画『箪笥<たんす>』『甘い人生』などで知られるキム・ジウン監督が、マカロニ・ウエスタンの名作映画『続・夕日のガンマン/地獄の決斗』などにインスパイアされて製作したという本作は、3人の悪党が宝の地図をめぐってバトルを繰り広げる、アジアでは珍しい本格的なウエスタン劇だ。荒野を馬で駆け抜けるガンマン、手に汗握る大追跡戦など、往年の西部劇のセオリーをきっちり押さえた演出やストーリー展開は、CGを使わないリアルなアクションとの相乗効果で、コアな西部劇ファンを大いに喜ばせる仕上がりとなっている。
始めにチェックしておきたいのが、主人公たちの人間関係。マカロニ・ウエスタンといえば、腕利きの賞金稼ぎVS.性悪なおたずね者という構図が思い浮ぶだろう。『続・夕日のガンマン/地獄の決斗』ではクリント・イーストウッドが賞金稼ぎのガンマンを演じたが、本作ではチョン・ウソンふんする孤高の賞金ハンターが、指名手配中のコソ泥(ソン・ガンホ)とギャング(イ・ビョンホン)を狙う。3人の出会いとなる冒頭の列車強盗のシーンでは、それぞれの見せ場がたっぷりのド派手なガン・ファイトが展開され、物語への期待感を一気に盛り上げる。
そして、絶対に外せない西部劇の名場面として挙げられるのが、緊張感あふれる決闘シーン。もちろん、本作にも3人が銃を構えてにらみ合う緊迫の決闘場面が登場する。銃を抜く直前の張り詰めた静寂や、ギラギラと絡み合う視線の描写は、西部劇ファンなら感涙必至! 宝の隠し場所にまつわる3人の男のガチンコ対決も『続・夕日のガンマン/地獄の決斗』のクライマックスをほうふつとさせ、ジウン監督のマカロニ・ウエスタンに対する情熱が伝わってくる。残虐性や乾いた作風で、従来の西部劇に新風を吹き込んだマカロニ・ウエスタンと、それをさらに進化させたキム・ジウン監督ならではのアジア発のウエスタン。2つを比べてみるのも一興だ。
映画『グッド・バッド・ウィアード』は8月22日より新宿バルト9、TOHOシネマズ シャンテ、TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国公開