カップルが共演する作品はヒットしない!?…ハリウッドのジンクスとは?
ハリウッドでは「カップルが共演する映画はヒットしない」と言われているが、近年そのジンクスが崩されてきている。私生活でのロマンスは、映画の宣伝にとってプラスになるのか、それともダメージになるのか検証してみた。
ハリウッドでは、これまでカップルが共演する作品はヒットしないというジンクスがあり、実際にヒットしなかった作品が圧倒的に多かった。その例の一つに、トム・クルーズとニコール・キッドマンが交際に発展するきっかけとなった映画『デイズ・オブ・サンダー』が挙げられる。本作は、映画『トップガン』で大ブレイクしたトムの新作で、ニコールと結婚するきっかけになった作品なだけに期待がかかっていたが、結果は大コケ。ほかにも夫婦共演3作目となる映画『アイズ・ワイド・シャット』は、スタンリー・キューブリック監督作品で、トムとニコールの大胆なベッドシーンが話題になったが、多くの映画批評家から二人の演技について批判の声が上がり、興行成績は思うように伸びなかった。彼らのほかにも、映画『愛を殺さないで』のデミ・ムーアとブルース・ウィリス、映画『シーズ・ソーラヴリー』のショーン・ペンとロビン・ライト・ペン、映画『ジーリ』のジェニファー・ロペスとベン・アフレックなど、大スターの共演というだけで話題性があるのに、大コケした作品は数知れない。
しかし近年では、そんなハリウッドのジンクスが崩れてきている。ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーという世紀の大物カップルが誕生したきっかけとなった映画『Mr.&Mrs.スミス』はそのジンクスを破った作品の一つだ。当時、まだジェニファー・アニストンと結婚していたブラッドは、連日アンジェリーナとの親密な関係についてうわさが飛び交い、世界中のマスコミを騒がせた。そんな大スターの共演とあって、これまでのように大コケするかと思われたが、ブラッドの映画『オーシャンズ11』、アンジェリーナ・ジョリーの映画『トゥームレイダー』を超え、ふたりそろって過去の出演作の興行成績を上回る数字をマークする結果となった。
テレビドラマ「ハイスクール・ミュージカル」から交際に発展したザック・エフロンとヴァネッサ・アン・ハジェンスカップルの映画『ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー』も、成功した作品の一つだ。アメリカでもアイドル的存在のザックとヴァネッサとの交際は、作品にとってダメージになるかと思われたが、二人は堂々とPRイベントや取材に参加し、その行動が逆に好感を呼び、ヒットにつながったと考えられる。ほかにも、映画『スター・ウォーズ』シリーズのヘイデン・クリステンセンがレイチェル・ビンソンと交際するきっかけとなった映画『ジャンパー』は、アメリカだけでなく海外でも大ヒットを記録。去年、本作のPRのため日本に来日したときも、そのアツアツぶりを見せつけ、注目を集めた。
パパラッチの登場で、熱愛を簡単には隠せなくなってきた昨今。もはや隠すよりも公表することが主流になってきたハリウッド俳優たちは今、自分たちの恋愛をうまく映画の宣伝に利用しているようだ。次は一体どんなカップルが生まれるのか、期待したい。
映画『ジャンパー』は、9月22日午後4:10よりWOWOWにて放送