スパイク・ジョーンズ監督の新境地!?力作『かいじゅうたちのいるところ』について語る!
映画『マルコヴィッチの穴』『アダプテーション』など、斬新な映像表現で人気のスパイク・ジョーンズ監督が、Apple Storeで開かれたイベントで、新作映画『かいじゅうたちのいるところ』について語ってくれた。本作は、親の言うことを聞かず、オオカミの着ぐるみを着てイタズラをしていたマックスが寝室に閉じ込められたことから不思議な世界へ迷い込んでいくファンタジー。モーリス・センダックの世界的ベストセラー絵本「かいじゅうたちのいるところ」が原作だ。
本作完成の陰には、ミュージックビデオ時代の仲間たちの姿があった。「コマーシャルやミュージックビデオを、プロパガンダ・フィルムズで製作したときに知り合ったのが、プロデューサーのヴィンセント・ランディ、撮影監督のランス・アコード、プロダクション・デザイナーのK・K・バレット、衣装のケイシー・ストームで、彼らとはもう13年以上も仕事をしているんだ。僕の長編デビュー作『マルコヴィッチの穴』では、そのままミュージックビデオを製作していた仲間たちを使ったんだよ。あの映画の成功で、本作は僕がやりたいように撮ることができて、そのままミュージックビデオの仲間たちをスタッフとして採用したんだ。僕の意思は、大きな配給会社であっても、文句を言わずに受け入れてくれるようになったんだ」とスパイク監督。
また劇中に登場する怪獣たちについて「ほとんどの怪獣の頭は、俳優の首だけで支えているんだよ。怪獣の中には人が入っているんだ。だから怪獣は動けることを前提にデザインしたのさ!」と明かす。ちなみにマックスと一番仲の良い怪獣キャロルのコスチュームは、何と重さ30キログラムもあるという。モーリスの世界的絵本を映画化するにあたり、プレッシャーはなかったのだろうか?「多少ナーバスになったよ。でもモーリスからの『あくまで自分の作りたいように製作するんだ。ただ子どもたちをダマさず、正直に作ってほしい』との助言が支えになったんだ。彼はプロデューサーとしてだけでなく、僕らを導く役も買って出てくれたのさ」とうれしそうにコメントする。本作制作にあたり、3年を脚本に費やし、半年かけて資金を調達。そして1年がかりでコスチュームを作り上げ、撮影と編集には1年半もの時間をかけた。スパイク監督の新たな一面を見せる作品になることは間違いなさそうだ。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)
映画『かいじゅうたちのいるところ』は2010年1月公開予定