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『ロード・オブ・ザ・リング』のヴィゴ・モーテンセン、新作『ザ・ロード』を語る

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ヴィゴ・モーテンセン
ヴィゴ・モーテンセン - Photo:Yukari Yamaguchi

 現地時間16日、映画『ザ・ロード』(原題)のイギリス・プレミアが第53回ロンドン映画祭で開催され、主演のヴィゴ・モーテンセン、脚本のジョー・ペンホールジョン・ヒルコート監督が会見を行った。

 ピューリッツァー賞受賞の同名小説が原作の本作では、壊滅状態に陥った地球でサバイバルしようとする父と息子が主役になっている。飢えた人々が殺し合い、人肉を食べるまでになった極限状態での人間愛という重いテーマを扱っているが、それに負けないシリアスさを見せたのが主演のモーテンセン。それぞれに話を聞いた後、記者からの質問を募った司会者が「記者質問に移ります。聞き足りないところがあったらの話ですが(笑)」と冗談を言うほど、じっくりと本作への思いを語った。

 当初からモーテンセンを主人公に考えていたと話すヒルコート監督に、モーテンセンも「役者は、一緒に演じるものに対応していくんだ。撮影では、周りの荒涼とした風景にリアリティーがあって、そこに入っていけた」とコメント。モーテンセンが広大な荒野を進んでいく物語といえば映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズが思い浮かぶが「この映画では、もっと人間の本性を出していくことを要求された」と違いを語った。

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 飢えていく役で大変だったのは身体的な面ばかりではなかったと語るモーテンセン同様、ほとんど出ずっぱりのコディ・スミット=マクフィーにも辛いシーンが多かった。いざというときにはこうしろと、モーテンセンが銃口を自分の口の中に入れて見せるシーンを実の父で俳優のアンディ・マクフィーを相手に練習しているコディの姿を目撃したというヒルコート監督は「(コディはこの役に)この調子なら大丈夫、または、マクフィー親子は完全に正気じゃないかのどちらかだと思った」と笑わせた。

 会見後、モーテンセンの元にサインを求めて殺到した記者にはやはり女性が多かったが、男性記者も会見中の熱心なモーテンセンの姿に魅了された者は多かった。(取材・文:山口ゆかり/Yukari Yamaguchi)

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