衝撃の事実!ブレア夫妻のベイビーの写真は取引材料!メディアのウソを暴く『スターサカーズ』-ロンドン映画祭
第53回ロンドン映画祭に参加しているドキュメンタリー映画『スターサカーズ』(原題)が、ライブ8の美談の裏側から、メディアに出回ったブレア夫妻赤ちゃん写真の陰に隠れていた真実までを明かし、プレスに衝撃を与えた。
ドキュメンタリー作品でBAFTAにノミネートされた経験もあるクリス・アトキンス監督の新作となる本作、有名になろうとする人々を追いながら、いかにセレブが人々の行動に影響を及ぼすかを検証していく一方で、メディアのからくりを暴く。
英人気俳優のヒュー・グラントの整形、マドンナとの結婚、離婚でメディアに登場する回数も飛躍的に増えたガイ・リッチー監督のピーリング、英人気ポップグループのガールズ・アラウドのメンバーの豊胸手術、英シンガー、エイミー・ワインハウスがパブで大暴れという根も葉もない話を、匿名情報としてメディアに売り込んだ結果、次の日には、大きく紙面を飾るというのを実証して見せる。
2005年夏に行われたチャリティ・コンサート、ライブ8の美談の裏側をも追求する。20年前の同チャリティで救われたと感動的に報じられた女性が、実は20年前の同チャリティ以前に、別のチャリティから医療の援助を受け、また別の人物の手助けで進学もしていたこと、英有力タブロイド紙であるザ・サン紙のオーナーでもある、メディア王ルパート・マードックの息子が、ライブ8の関係者の1人であることが明かされる。
情報操作にもするどくメスを入れる。当時、現役首相のベイビーとして話題を呼んだトニー・ブレア夫妻と新生児の写真は、他の政治家のスキャンダルを出さない見返りとしてメディアに登場してきたものだという。
本作自体がスクープ満載で、10月23日のプレス試写では、試写室から駆け出していく記者も見られた。同映画祭での上映後、イギリスで一般公開が予定されている本作、各方面に一騒動巻き起こすことになりそうだ。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)