井上真央の『僕の初恋をキミに捧ぐ』が初登場首位!渡辺謙主演作は2位スタート!
映画週末興行成績
芸術の秋ということもあってか、人間ドラマに軸を置いた重量感のある社会派作品やラブストーリーなど、じっくりと観賞できる作品に注目が集まった今週のランキング。しかも今週のベスト10にランクインした3本の新作のうち上位2本が東宝配給作品で、さらにトップ3を同社の作品が独占するなど、東宝の強さが際立った。
初登場首位に輝いたのは、海外6か国から公開オファーが届いた井上真央主演の映画『僕の初恋をキミに捧ぐ』。井上にとっては、2008年度国内ランキング第2位を記録した映画『花より男子ファイナル』以来の映画出演作となり、『花男』ファンにもアピールしたもよう。なおかつ共演が現在放送中のテレビドラマ「オトメン(乙男)」で人気急上昇中の若手俳優、岡田将生。さらに原作は累計発行部数750万部を突破したという青木琴美による人気コミック。10代から20代の女性を中心とした集客に成功し、興収2億8,125万4,350円を記録。今後の興収30億円越えも期待できそうだ。
2位は山崎豊子のベストセラー小説が原作の映画『沈まぬ太陽』。これまで映像化不可能といわれた作品だけに、完成へのハードルは非常に高く、初日舞台あいさつで渡辺謙が男泣きしたことでも話題となった。高視聴率を記録する、同じく山崎原作のテレビドラマ「不毛地帯」も本作を後押しした形となり、3時間22分という興行的に不利な上映時間にもかかわらず、原作ファンの50代~60代を中心に幅広く動員。興収2億5,053万6,550円を突破している。一方、2週連続でトップを走っていた映画『カイジ 人生逆転ゲーム』は今週3位となったが、公開3週目にして早くも動員100万人、興収14億円を突破。4位の映画『仏陀再誕』、5位の映画『ワイルド・スピード MAX』、6位の映画『私の中のあなた』、7位の映画『あなたは私の婿になる』、8位の映画『さまよう刃』はそれぞれ2ランクずつダウンとなった。
初登場9位にランクインしたのは映画『きみに読む物語』のレイチェル・マクアダムスと、映画『ブーリン家の姉妹』のエリック・バナ共演の映画『きみがぼくを見つけた日』。本作は映画『ゴースト/ニューヨークの幻』の脚本家によるラブストーリーで、時空を旅する運命を背負った男が、次元によって恋人と引き裂かれる切ない運命が描かれる。製作総指揮に映画『トロイ』でバナと共演したブラッド・ピットが参加していることも話題だ。そして10位の映画『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』は先週より3ランクダウンだが、かろうじてベスト10圏内に踏みとどまった。
今週末は映画『風が強く吹いている』『ホワイトアウト』『サイドウェイズ』などが公開。そして日米同時公開の映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』は一足先に28日公開予定となっている。(ランキングなどは興行通信社調べ)(取材・文:壬生智裕)