『マンマ・ミーア!』のコリン・ファース、グッチのデザイナー出身の監督におデブさん呼ばわり!?
映画『ラブ・アクチュアリー』『マンマ・ミーア!』などで知られるイギリス人俳優コリン・ファースが、新作映画『A Single Man』(原題)について語ってくれた。本作は、悲惨な交通事故でパートナーを失ってしまったゲイの教授ジョージ(コリン・ファース)の悲惨な一日を描いたドラマ。
本作でメガホンをとったのは、グッチのクリエイティブ・デザイナーとして活躍してきたファッション界のカリスマ、トム・フォード。「トム監督からもらった脚本は、主人公のジョージの視点で書かれていて、ジョージを客観的に見た言葉がまったくなかった。それがとても新鮮でね!」と出演経緯を語る。さらに「キューバ危機の時代背景と孤独で自殺願望のある大学教授という設定も魅力的。トム監督は元々はデザイナーだけど、監督としての素質は十分だった」と回想する。
ちなみにコリンはトム監督から撮影中「おデブさん」と呼ばれていたそうだが……? 「面と向かって言われたことはなかったけど、心の中でトム監督はそう思っていたろうね(笑)。彼は僕にやせてほしかったんだ。実際映画の後半ではやせる必要があったから、僕はダイエットに精を出したよ!」と話すコリンだが、彼に太っているというイメージはあまりない。しかしファション界で活躍していたトム監督から見ると、お腹が気になったのかもしれない。
ダイエットの努力が功を奏したのか、コリンはベネチア国際映画祭で主演男優賞を受賞。本作もオスカーレースのダークホースと見られている。「光栄なことだが、僕は俳優として目の前の仕事をこなしているだけさ。今日もこのインタビューを終えたら、すぐに飛行機で撮影現場に行かなきゃならないしね!」とあくまでも謙虚だ。コリンの話し方や身のこなしは、まさにイギリス紳士そのもの。3度目のインタビューとなったが、明るい印象は変わらないままだった。(取材・文:細木信宏/Nobuhiro Hosoki)